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35歳の主将・荒木絵里香ショックだった五輪1年延期…それでも支えてくれる家族のために「心が震えるようなバレー」を届けたい

2020年4月27日 11時32分

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意気込みを語る荒木絵里香

意気込みを語る荒木絵里香

  • 意気込みを語る荒木絵里香
  • ロンドン五輪で銅メダルを手に笑顔の荒木(前列左から3人目)らバレーボールの日本代表

バレーボール女子日本代表の主将が胸中語る

 バレーボール女子日本代表の主将を務める荒木絵里香(35)=トヨタ車体=が、本紙の取材に書面で応じた。娘を持つ母として、競技者として直面したコロナ禍。2012年ロンドン五輪で日本女子に28年ぶりとなるメダル(銅)をもたらした35歳は今、何を思うのか。その胸中に迫った。
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、荒木が所属するトヨタ車体(愛知県刈谷市)での練習も4月11日以降、休止状態となってしまった。「今は自宅にいます。ここ数日は娘と過ごしながら、自宅で自分でトレーニングをしています」
 この春に小学校に入学した6歳の娘も休校で自宅待機。今は実母と一緒に娘の面倒を見て、離れて暮らす夫も仕事の合間を縫って週に1、2度帰ってきてくれる。
「私の練習環境も限られ、娘も休校という状況の中で、いろんなことが制限されています。家族が今まで以上に協力して日々を過ごしていかないといけないと感じています」
 その中でも喜びはある。「娘は家で私と過ごす時間が増えてうれしく感じているようです。普段、ほんとに我慢させているんだなと」。2014年に出産し、その年から現役復帰した。代表活動やチームでの遠征で家を空けることが多い。わが子に夢に向かって努力する姿を見せたくて、挑んだ道。なのに、娘に寂しい思いをさせていた。その娘との貴重な時間が、期せずして今、つくれたのだ。
 長年活躍してきた日本代表としての集大成、と位置付けた東京五輪。1年の延期が発表された当初は衝撃を受けた。「2020年をターゲットプランに立てていたので、率直に言うとショックでした」。しかし、覚悟は変わらない。「変化はありません。目標であること、自分自身の集大成であることは同じです」
 今年2月に29人の代表候補による合宿で、銅メダルを獲得した12年ロンドン五輪以来となる主将に任命された。2大会ぶりのメダル獲得を目指し、4月に再開予定だった代表合宿も延期に。先の見通しが立たない状態でも、心は揺るがない。
「自分の目標や選手としての在り方、考え方が大きく変わることはありません。コンディションを整え続けること、今しかできない強化もあるので、合宿スタートに向けて、日々、自分が今できることを続けていくだけです」
 なぜここまで強い気持ちを保てるのか。「覚悟を決めて東京オリンピックに向けて進んでいるので、前を向いて進み続けるしかないと思っています。どんな時も一番近くでサポートしてくれる家族の存在が私の一番の原動力です」。競技と子育てを両立してきたアスリートの力強さが、文面からにじみ出る。「今、この大変な状況を乗り越え、延期されたプラス1年間でさらに成長、チームとして進化できるように頑張りたいです」と合宿再開の日を待ちわびる。
「今の状況の中で、スポーツ、バレーボールの意味、価値ということを私自身、よく考えます。自分の生き様、プレーする姿、試合を通して、少しでもいいエネルギーを受け取ってもらえるように頑張り続けます」
前向きな言葉が強い覚悟を物語る。今年の代表合宿初日。荒木はロンドン五輪の歓喜の瞬間を思い浮かべ、「自分たちの心が震えるようなバレーをしないと、結果は得られない」と仲間に奮起を促した。このコロナ禍を乗り越えた先に、その「心が震える瞬間」があると信じている。
 ▼荒木絵里香(あらき・えりか)1984(昭和59)年8月3日生まれ、岡山県倉敷市出身の35歳。186センチ、78キロ。ポジションはミドルブロッカー。東京・成徳学園高(現下北沢成徳高)で高校3冠(春高バレー、全国高校総体、国体)を達成。2003年に日本代表に初選出、五輪は08年北京大会から3大会連続で出場。13年に元ラグビー日本代表の四宮洋平さん(41)と結婚。14年に出産し、同年に現役復帰。16年からトヨタ車体に所属。

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