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新型コロナ「正しく恐れて正しく対応」スポーツの器具にさわった後は必ず手洗い!1日20回、30回洗う”覚悟”も必要[岐阜大・小倉教授に聞く・上]

2020年4月27日 13時03分

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小倉真治教授(岐阜大提供)

小倉真治教授(岐阜大提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。16日には政府の緊急事態宣言の対象が全国に拡大された。しかし、そもそも、新型コロナウイルスとはどんなウイルスなのか。生活の中で体を動かしたり、スポーツをする場合に、感染拡大防止に向けて何を気を付ければよいのか。そして、自分たちでできる予防策とは?岐阜大医学部付属病院高次救命治療センター長を務めている小倉真治教授(61)によるレクチャーを2回に分けて紹介する。
 昔から、敵を知り己を知れば百戦あやうからずという。現在、直面する“敵”は新型コロナウイルス。正しい知識を得てしっかり対処すれば収束がみえてくるはずだ。まず、新型コロナウイルスは何なのか。小倉教授に解説してもらった。

 「風邪のウイルスにコロナウイルスは混じっています。約9%がそうだといわれています。もともとは特別なウイルスではないのです。でも、時々変異を起こし、高い毒性を持ちます。今回もそう。だから、『新型』といわれているんです」

 ひとたび感染したら、志村けんさん、岡江久美子さんの命を奪った肺炎となる可能性がある。しかし、怖いのはこれだけではない。敗血症など他の感染症を引き起こす可能性があるというのだ。
 「ウイルスの影響で肺炎を起こすと、肺で酸素をとれなくなる。そうすると、さまざまな臓器の状態が悪くなる。多臓器不全を起こすんです。それとともに、体が感染に耐える力が落ちていく。そのため、二次感染にかかりやすくなり、敗血症を起こしやすくなるんです」

 しかし、過度に怖がる必要はない。救急救命の現場に立っている小倉教授はこう強調する。
 「新型コロナウイルスを正しく恐れて正しく対応することが必要です」
 では、感染防止に向けて必要なことは何か?
 「体に入れないことが重要です。ウイルスは目や鼻、口といった粘膜から入りますが、手などについただけでは体内には入りません。でも、手につくことが一番多いので手を洗ってうがいをすることが最も重要です。体の中に入っていく数が少なくなれば、感染の危険が減っていきます」

 さらに、小倉教授はスポーツに例えて説明していく。
 「スポーツで言えば、手や口が最初のディフェンスラインなんですね。どうやって相手を“デンジャラスゾーン”に入れないか。僕はラグビーですが、1人に対して2人で守れば、球は先に通らない。逆に、3人で攻めてきた相手を1人で守れば、ラインを突破されてしまう。相手が1人余っていれば、パスを通されて抜かれてしまう。それと同じ。手洗いをしたりうがいをしたりすることは、体の中に入る敵の数を減らすことなんです」
 野球やサッカー、ラグビーといった球技のボールはきれいに磨かれている。今は他のスポーツの器具もアルコール消毒されている。そこにウイルスは付着するのか。小倉教授の見解はこうだ。
 「ついています。ボールやスポーツの器具には必ずウイルスがついていると思ってください」
 しかし、体を動かす時にボールやトレーニング器具を触ってはいけないのか?そうとは限らない。手にはウイルスが付着すると覚悟した上で、しっかりした対策をとることが何よりも大事だ。
 「ボールや器具をアルコールで拭きますよね。アルコール消毒は感染力を70%減らすといわれます。でも、30%は残っているわけです。感染を防ぐためにはボールや器具を触った後で洗っていない手を口や目に持っていかない。手を洗うまでは絶対に我慢する。1日20回、30回手洗いをしてナンボという感じでいる必要があります」

 子どもたちの中には無意識に触る人もいるだろう。指導者は心を鬼にして、手洗いの徹底を厳しく説くことが今は何よりも必要だ。[続く]

▼小倉真治(おぐら・しんじ)1959(昭和34)年2月14日生まれ、高松市出身の61歳。85年に岐阜大を卒業し、米国サウスカロライナ医大客員研究員、香川医大助教授を歴任。2003年に岐阜大大学院医学系研究科救急・災害医学分野教授となり、04年に同大医学部付属病院高次救命治療センター長に就任。14年から18年までは同大医学部付属病院長を兼務した。専門は救急・集中治療。

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