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聖火、天国の5人へ 紀伊半島豪雨10年、家族失った男性「頑張る姿を」

2021年9月2日 05時00分 (9月2日 05時02分更新)
「亡くなった家族のために前を向いて生きていきたい」と語る中平史都さん=和歌山県新宮市王子町で

「亡くなった家族のために前を向いて生きていきたい」と語る中平史都さん=和歌山県新宮市王子町で

  • 「亡くなった家族のために前を向いて生きていきたい」と語る中平史都さん=和歌山県新宮市王子町で
 三重、和歌山、奈良の三県で死者・行方不明者八十八人が出た二〇一一年九月の紀伊半島豪雨から十年になる。和歌山県那智勝浦町市野々(いちのの)の実家が土石流で流され、家族五人を亡くした中平史都(ふみと)さん(33)は、今は隣接する同県新宮市で暮らしている。両親と三人の弟妹を亡くし、たった一人残されたが、「いつまでも悲しんでいては、天国のみんなが悲しむ」と前を向く。 (森雅貴)
 豪雨当時は、東京で会社員をしていた中平さん。四年ほど前、紀州に戻ることを決め、新宮市の祖母宅に身を寄せた。三重県紀宝町の家電メーカーの工場で働いている。
 今年四月九日、東京五輪の聖火ランナーとして新宮市内を走った。高校時代は陸上部。天国の家族に「頑張っている姿をみてほしい」と思い、応募した。自分と同じく豪雨で家族を亡くした知人から「元気をもらった」と声を掛けられた。
 十年前の九月三日夜。実家そばに住むおばから電話があり、大雨で近所の那智川が氾濫したと知らされた。家族に電話したが、応答はなかった。すぐに帰りたかったが、故郷周辺の鉄道は不通になっていた。
 列車と車を乗り継ぎ、七日に駆け付けたとき、自身が高校卒業まで過ごし...

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