本文へ移動

[7人制]五輪延期で福岡堅樹どうなる「こちらは慰留を働きかけるが…本人の意向を尊重」

2020年4月15日 17時41分

このエントリーをはてなブックマークに追加
本城和彦強化委員長

本城和彦強化委員長

男子日本代表・本城和彦強化委員長に聞く

7人制ラグビーの男子日本代表はほろ苦い五輪の思い出がある。前回2016年リオデジャネイロ大会で4位という歴史的快挙を遂げながら、注目されなかったからだ。メダル獲得を目指す東京大会は1年延期が決まった。同代表の本城和彦強化委員長(59)は「五輪はメダルを取らないとだめ。延期はチームが成熟する時間をもらったと考えている」と話す。代表候補練習に合流した福岡堅樹(27)=パナソニック=への対応も含め、今後の展望を強化委員長に聞いた。
 7人制ラグビーが初めて正式種目に採用された16年リオ五輪で、男子日本代表は1次リーグ初戦で強豪ニュージーランド(NZ)から大金星を挙げるなどして勝ち上がり、4位に入った。
 ―五輪4位という好成績なのに、世間のほとんどの人が知らない。昨年W杯日本大会8強でパレードをした15人制日本代表とは大違いだ
 本城委員長「オールブラックス(NZ)を倒すなんて、15人制でもこれから先にあるかないかの快挙だった。しかも世界4位は、日本ラグビー界史上最高位。それなのに、約2週間という短い五輪開催期のメダルラッシュに埋もれてしまった。五輪のパレードはメダリストしか参加できない。3位と4位の差を痛感した」
―それでもNZに勝った事実は変わらない。何か秘策はあったのか
 「7人制は7分ハーフと試合時間が短く、15人制より番狂わせが起きやすい。戦術の幅は小さいから秘策と呼べるものはなかったが、戦術は明確にした。あの試合は相手の攻撃機会を減らそうと、実際にプレーしているインプレーの時間を意図的に短くした。スクラムはゆっくり組み、ペナルティーを得ても定石の速攻をあえて封印し、タッチに蹴り出すなどして時間を使った。粘り強く守り、攻撃では少ないフェーズ(密集の場面)でトライを奪い、思い通りの展開に持ち込めた。お互いに初戦だったことも有利に働いた。日本人は『この一番』と決めるとピーキングを合わせるのがうまい。オールブラックスはその先の試合を意識していた。
 リオ五輪後、チームから昨年W杯日本代表の福岡、レメキ・ロマノラバ(31)=ホンダ=といった切り札が抜けた。18~19年シーズンのワールドシリーズ(WS)は全大会に出場できるコアチーム(15チーム)で最下位となり降格。強豪国との対戦が減り、東京五輪に黄信号が点灯していた。
 しかし、今年2月、南米でのチャレンジャーシリーズのチリ大会3位、ウルグアイ大会優勝と総合成績1位となり、8チームでWS昇格を争うプレーオフ(PO)進出を決めた。そして、医学の道を志すため「五輪を最後に引退する」と公言する福岡が合流し、7人制への注目度が高まっていた。そんな折、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、香港で開催予定だった4月のPOは延期。東京五輪延期と合わせ、強化計画の見直しを迫られる。
―コロナ禍の影響は
  「今季WS、PO、11月からの来季WSも含め全ての大会開催が不透明の中、計画を立てるのは難しい。ただ、仮に昇格できたら強化には大きなプラスになる。下のカテゴリーでできたことが、上のカテゴリーでも通じるのか確認し、修正できる。強豪国との実戦経験を通じて、チーム、個々の成長曲線を加速的に上昇させたい。五輪の延期はチームを成熟させる時間をもらったと思う」
 ―福岡への期待は大きいと思うが
 「こちらは慰留を働きかけるが、本人の意向を尊重する。無理やり残しても本人にもチームにもよくない」
 ―日本の課題は
 「強豪国との差は守りだと思う。7人制では高いボール保持率が重要だが、守りが崩壊しないことが大前提。15人制のようなダブルタックルはリスクがある。7人制は1人で止め切る力が求められる。攻撃ではラインブレーク(突破)できる選手が手薄だ」
▼本城和彦(ほんじょう・かずひこ) 1960(昭和35)年7月12日生まれ、富山県出身の59歳。東京・国学院久我山高3年時に全国制覇。早大では1年からレギュラーとして活躍し、甘いマスクと華麗にステップを踏む姿から「プリンス」と呼ばれる。大卒後はサントリーへ。ポジションはSO。日本代表10キャップ。2015年に日本テレビに転職し、現在はスポーツ局専門局長。7人制日本代表監督などを経て13年から現職。

関連キーワード

PR情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ