本文へ移動

絶品、絶景そろう秋の山里馬瀬 岐阜県下呂市

2021年8月27日 05時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加
アユ釣り風景

アユ釣り風景

  • アユ釣り風景
  • 馬瀬ひかりの稲穂に囲まれ米俵を持つ二村組合長(中)ら
  • アユの伝統的漁法、幻想的な「火ぶり漁」
  • 鶏ちゃん定食
  • ふれあいファーム
 “天高く馬肥ゆる秋”がやってくる。岐阜県下呂市の馬瀬(まぜ)地区はそんな季節がもっともふさわしい地だ。集落の中心を天下の名川、馬瀬川が流れ、日本一となった「馬瀬アユ」が落ちアユの時期を迎えて「火ぶり漁」が始まり、清流の水を引いた水田からは金賞を取った「馬瀬ひかり」の金色の穂がこうべをたれる−。まもなく秋色に染まる山里を紹介する。 (東條敏明)
 日本3名泉の一つ、下呂温泉を山一つ越えた先にある馬瀬地区。馬瀬川は、岐阜県高山市清見町に源を発し、下呂市馬瀬を流れた後、馬瀬川ダムを経て、同市金山町で飛騨川に合流する。2008年に「平成の名水百選」に選定された。アユは味と香りが良いことで知られ、2007年に開かれた「全国利きアユ会」でグランプリに輝いた。
 馬瀬地区は「日本で最も美しい村」連合に加盟し、農林水産省の「食と農の景勝地」に認定されている。水源米馬瀬ひかりは、馬瀬ひかり生産組合が5年ががりで取り組み、認定された。「昼夜の気温差が大きい気候に恵まれた中、上質の水を使って減化学肥料、減農薬の基準を守って育てている」と、二村富喜夫組合長(68)。
 組合員15人、作付面積90ヘクタール、生産量398俵と貴重。ほとんどが予約販売で、一部が店舗で売られている。こしひかりをベースに質を高めるのに成功した。環境に配慮した米作りだけに作業量も膨大で、コストもかかる上、高齢化で大変だが、二村さんは「知名度を全国区に育て上げたい」と語る。米粒はやや大きめで甘みがあり、冷えてもおいしく絶品。国内最大のお米コンクール、米・食味鑑定士協会の食味コンクールで最高賞の金賞を2019、2020年に獲得した。「食味(標準値は60〜65)も91、92点あります」と二村さん。
 火ぶり漁は、馬瀬西村の「フィシングセンター水辺の館」前の馬瀬川で夜、行われる。ホテルと日帰り温泉も経営する「美輝(みき)の里」が申し込みの窓口。川岸に置かれたかがり火と、川漁師(今は「火ぶり隊」の人たち)が竹竿につるしたたいまつを動かしつつ川の中を歩くと、産卵に向け川を下り、落ちてきたアユが、驚いて逃げて仕掛けた網にかかるという伝統の漁法だ。
 昔は同地の風物詩だったが途絶え、2012年、地域おこしの一環として地元有志の手で復活した。アユを追う際に漁師がかける「ホーホー」という声が響きわたり、たいまつとかがり火に照らされた川面が輝き、揺らめく様は幻想的だ。漁が終わればアユが何匹も掛かった網が観覧者に披露され、希望するとアユを網から外す作業も体験できる。網から外す際、スイカの様な匂いが香る。アユのまたの名を香魚という由縁だ。

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ