中日・根尾「今の僕に落ち込む暇なんてない」26打席無安打でも“変えなかったこと”1軍躍進のお手本は
2021年8月24日 11時00分
◇期待の若手企画『ニュージェネレーションズ』
中日の期待の若手が現在地を語る企画「ニュージェネレーションズ」。第6回は、後半戦は2軍スタートとなった根尾昂内野手(21)が1軍投手の「壁」を突破するため、改善に取り組む打撃フォームについて語った。劇的なプロ1号満塁弾を放つ一方で、26打席連続無安打と苦しい日々も経験。前半戦の日々を教訓に1軍返り咲きを狙う。
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後半戦は2軍スタートとなり、今は自分の長所をより生かせるようにと考え練習しています。
前半戦の課題の一つが、右方向へ強い打球を引っ張ること。ヒットを打てるゾーンを広げるためにも、練習から取り組みました。できた打席もありましたが、強引に打ちにいきすぎて崩されやすい形になってしまったという悪い点も出ました。
7月下旬に2軍に合流し、自分の打撃を見つめ直しました。高校時代から、センターから左中間に強い打球が打てている時が調子が良いときのバロメーター。基本に立ち返るというか、自分の長所であるセンターを中心に打ち返す打撃を、まずはできればなと考えています。
ただ、引っ張る打球が増えてこないといけないのも事実です。自分の軸となる打撃を取り戻した上で、どうしたら右方向へ強い打球を打てるのかを考えていかないといけないと感じています。
2軍では立石(2軍野手総合)コーチに付きっきりで指導してもらっていて、良かった時の感覚を取り戻せるようにと声をかけてもらっています。具体的にはバットのトップが体の後ろ側に入りすぎて、遠回りしないようなスイングへと修正しています。低めの変化球は打ちにいって見逃せるようにしたいです。
前半戦を振り返ってみると、良いときも悪い時もありました。プロ初本塁打を放ちましたが、約1カ月間、ヒットが出ない日々もありました。苦しかったですが、落ち込むことはなかったです。今の僕には落ち込む暇なんてないので、絶対に打ってやると毎日思って練習していました。
その期間でも、ずっと変えなかったことがあります。もちろん練習ではいろんなことを考えて試すのですが、打席に入ったら投手との間合いだけを考えるということです。
春季沖縄キャンプから、ずっとこの考えは変わりません。いろんな方の意見を聞いたり、自分で考えたりすると「変えた方が良いのかな…」と悩むこともありましたが、自分のスイングで投手と対峙(たいじ)することは徹底しました。
1軍にずっと居させてもらって気付けたこともたくさんありました。一流の打者は投手との間合いがバッチリ合っているなと。DeNAの佐野さんは特にすごいと感じました。外野を守っていても、打球がきそうな雰囲気を感じるというか…。自分のチームだと福留さんですね。練習で毎日、同じように強い打球をスタンドまで放っていました。試合前は、黙々と一人で走っていらっしゃる姿も印象に残っていますね。
最近、印象に残った出来事といえば母校の大阪桐蔭高が甲子園に出場したこと。夏は僕たちが2018年に出場して以来ですね。1回戦(西東京・東海大菅生戦)は大雨の中での試合。僕はあの状況の甲子園で試合をしたことがないので、未知の世界だなと思って見ていました。普段の練習では結構、雨が降っても「まあまあ…」という感じで続けていましたけどね(笑い)。
甲子園で夜まで試合をしているのを見ると、2年夏の仙台育英との試合を思い出します。あの時もナイターで、悔しいサヨナラ負けを喫しました。春夏連覇した時のことよりも、負けたときのことを強く覚えています。忘れられない出来事の一つですね。
後輩たちの頑張りは刺激になります。僕ができることは1軍にいった時に、バッティング、守備、走塁で自分の持っている力を発揮すること。そのプレーをファンの皆さんに見て頂いて、チームに貢献できるように頑張りたいです。
(中日ドラゴンズ内野手)
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