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高校総体ボート 4人スカル美方 こがずとも優勝けん引 

2021年8月20日 05時00分 (8月20日 09時44分更新)
コックスへと転身してチームを支えた脇田選手(中)を担ぎ上げ、男子かじ付きクオドルプル優勝を喜ぶ美方の選手たち=19日、美浜町の久々子湖漕艇場で

コックスへと転身してチームを支えた脇田選手(中)を担ぎ上げ、男子かじ付きクオドルプル優勝を喜ぶ美方の選手たち=19日、美浜町の久々子湖漕艇場で

 脇田選手 「かじ役」に転身

 美浜町の県立久々子湖漕艇場で十九日に行われた全国高校総体(インターハイ)のボート競技。最終種目となった男子かじ付きクオドルプル(四人スカル)決勝で美方が優勝すると、脇田蓮太郎選手(三年)が艇の上に立って両拳を握った。突発的に心臓が痛くなる疾患を発症し、艇のかじ役となるコックスに転身。くじけず、踏ん張った日々が報われた瞬間だった。=<1>面参照 (谷出知謙)
 一年生の秋、登校中にいきなり胸が痛くなり、呼吸もしづらくなった。病院で検査したが問題はなく、一カ月後に部活に復帰した。中学で始めたボート。今では世代別日本代表入りする同級生の山口遥平選手や津志田匠太郎選手に負けじと、漕手(そうしゅ)として練習した。しかし、コロナ禍の自粛期間中だった昨年三月、再び症状が出た。
 全体練習がなく、自宅で汗を流そうとすると痛みが現れた。チームメートと顔も合わせられず、一人で抱え込んだ。再び病院に行って医師に相談すると、漕手を諦めた方がよいと言われた。「一人で水上で練習して症状が出た時、誰も気付かないかもしれないから」と。
 目標を見失いかけた時、コックスを提案された。艇上でただ一人オールを握らず、漕手に声を掛けてかじを取り、周りを見て指示を出す。チームに貢献できるならと腹を決めた。コックスの体重は五五キロ以上と定められており、軽いほど有利になる。キュウリ一本しか食べない日を過ごし十キロ落とした。
 昨年九月の全国大会は、0・02秒差で準優勝。「コックスのせいで負けた」と清水寛之監督は発破をかけた。オフは漕手の練習に付き添った。漕力(そうりょく)を測定するエルゴメーターで目標の数値を達成するために、「もっといけるぞ」と盛り上げ、個の力を高めることに貢献した。
 「俺らしか日本一は似合わんやろ」。決勝を終えた後、いつものように熱い言葉を掛けたという。共にこがずとも、自分には仲間を助けられる声がある。「世界を知りたい」と、コックスで国際大会に出るのが夢になった。

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