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四中工6年ぶり初戦突破に“新人”伊室監督が涙 元グランパス小倉の同級生はJの夢破れ教員になった苦労人

2019年12月31日 20時46分

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日大明誠―四日市中央工 前半、攻め上がる森夢真選手(手前)に指示を出す伊室陽介監督=フクダ電子アリーナで(戸田泰雅撮影)

日大明誠―四日市中央工 前半、攻め上がる森夢真選手(手前)に指示を出す伊室陽介監督=フクダ電子アリーナで(戸田泰雅撮影)

◇31日・全国高校サッカー選手権1回戦

 込み上げる感情を、抑えきれなかった。1月に就任した伊室陽介監督の下でつかんだ全国初勝利。46歳の“新人監督”は試合後のインタビューで涙をぬぐい、伝統校の重みをかみしめた。
 「ぐっとくるものがありました。歴代の監督に『頑張ってますよ』と。初戦敗退が続いていましたが、これは本来の姿ではないという思いでした」
 幸先よく2点を先制したが、前半終了間際に1点を返されて嫌なムードが漂った。ハーフタイムに指揮官は「これが選手権だ。次の1点が勝負になる」。後半は初出場の日大明誠の攻勢をはね返し、7分に主将のMF森がダメを押した。
 OBでもある伊室監督は、1991年に小倉隆史(元名古屋グランパス監督)ら「四中工三羽烏」を擁して選手権優勝した当時のメンバー。日大に進むも、Jリーガーの夢はかなわなかった。「何度も受け直した」という採用試験を乗り越えて教員に。部員11人ほどの高校での監督経験などを経て、9年前に母校へ赴任した。
 24年間チームを率いた樋口前監督から受け取ったバトンは、想像以上に重かった。夏の高校総体では0ー5で大敗しあっけなく1回戦敗退。それでも、監督としての経験不足を選手には押しつけず、真正面から生徒と向き合ってきた。
 「経験豊富な46歳の指導者はたくさんいますが、私は1年目です。分からないことは教えてもらう。『伝統校の監督だから』という姿は見せないようにしてきました」
 同校しては6大会ぶりの“選手権1勝”を挙げ、目標のベスト8へ好発進した。「一つでも多く勝ちたい」と伊室監督。名門が新たな歴史の1ページを刻み、走り始めた。

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