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勝山の元プロ和太鼓奏者 大久保さん バングラの子へ食事支援 

2021年8月17日 05時00分 (8月17日 09時59分更新)

 弾き語りで募金活動

ギターの弾き語りを通してバングラデシュへの食事支援を呼び掛ける大久保さん=勝山市の勝山サンプラザで

 
 夕刻、勝山市中心部のショッピングモール出入口に響くギターの音色と歌声。弾き語りを通して募金活動を行い、遠くバングラデシュの子どもたちに食事支援を続ける男性が奏でる音色と歌声だ。現地を訪れて交流を重ねるなど、活動に力を入れる原動力は「食事を支援し、現地の子の笑顔を日本の子どもたちに届ける。そんな架け橋になりたい」との思いだ。 (平林靖博)

 男性は大久保哲朗さん(40)=元町二。元プロ和太鼓奏者で、五年前に拠点としていた奈良県から地元に戻った。市内で仕事をしながら和太鼓教室などさまざまな活動をしている。その一つが食事支援の募金活動だ。バングラデシュのスラムの子どもたちを中心に、食事支援をしているNPO法人の存在を知り、二年前から寄付を始めた。昨年二月には現地の首都ダッカを訪問。NPO法人のメンバーと食事を配り、学校で太鼓を教えるなどして子どもたちと交流した。
 ところが帰国後すぐに、世情は一変。新型コロナウイルス感染症が世界にまん延し始め、訪れたダッカも日本も、先の見えない状況に陥った。自身の勤め先も休業となった。
 そんな中で思い立った。現地の子どもたちは元々の食事事情にコロナ禍も相まって苦しんでいる。自分は演奏者。「この時間を使って、表現者としてバングラデシュの現状を伝えたい」。ギターを手に人前に立ち、食事支援の募金箱を前に歌声を響かせた。
 「日本が大変なときに」「バングラデシュでやったら」。つらい言葉も聞いたが、それでも続ける中で気づいたことがある。「日本の子どもたちの笑顔が曇っている」と感じたのだ。思い出すのはダッカの子どもたちの笑顔だった。「生活が苦しくても笑顔。あんな笑顔を伝えたい。そんな架け橋になりたい」
 昨年四月から始めた活動は不定期ながらずっと続けている。最近はコロナ禍の影響で弾き語りも難しい状況になったが、「やりたいことを素直にやっていいんだという姿を、子どもたちに見てもらいたいんです」。それが自分の任務だと信じている。

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