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侍・稲葉監督「彼を選んで本当に良かった」黙々と準備を続ける大野雄大に繰り返した『雄大すまん』【金メダルインタビュー】

2021年8月17日 06時00分

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ウイニングボールを手に、大野雄と抱き合う稲葉監督=7日、横浜スタジアムで

ウイニングボールを手に、大野雄と抱き合う稲葉監督=7日、横浜スタジアムで

  • ウイニングボールを手に、大野雄と抱き合う稲葉監督=7日、横浜スタジアムで
  • 金メダルを獲得し、喜びを語る侍ジャパンの稲葉監督
 東京五輪で金メダルを獲得した侍ジャパンの稲葉篤紀監督(49)が本紙のインタビューに応じ、その舞台裏の秘話を明かした。5連勝で先発機会を逸した大野雄への謝罪、そして決戦前夜の木下雄介さんへの黙とう…。緊張と重圧から解放された侍の大将がすべてを語った。
    ◇
 「結束」を旗印に、5連勝でつかみ取った金メダル。稲葉監督が何度も口にした「感謝」という言葉は、大野雄の起用法に話題が及ぶとさらに強まった。
 「雄大には本当に頭が上がらないです。本当に…。無理なお願いばかりしているのに、1人で黙々と準備してくれた。だから『雄大すまん、雄大すまん』と…。彼の『チームのためになるなら』という思いが伝わってきました。彼を選んで本当に良かった」
 予選リーグでの敗退はない。決勝トーナメントの敗者にも金メダルのチャンスは残る。複雑な大会方式を結果的に全勝で勝ちきったが、大野雄に与えられたのは2度に及ぶ“幻の先発”だった。しかも、前日は1回からブルペン待機。実際に投げたのは米国戦の1イニングだけだったが、その裏にある大野雄の献身を、稲葉監督は誰よりもわかっている。だから「感謝」と「謝罪」を繰り返した。
 米国との決勝前夜(6日)。公式練習の会場となった大田スタジアムで、24人の侍と全スタッフが集まった。亡くなった木下雄介さんに黙とうをささげようと呼び掛けたのは、稲葉監督だった。
 「同じプロ野球の仲間としてね。グラウンドでとも考えましたが、ご家族の意向もあって、あまり表立ってはということだったので(報道陣から見えない)ブルペンに集まりました。『木下君のためにも』という話もさせていただきました」
 翌日、大野雄が天にかざした金メダル。決戦に向けた最後の結束は、この黙とうでさらに固まったのかもしれない。
 「知ってもらえているかわかりませんが、僕たちはベンチでも帽子をかぶって、ユニホームをちゃんと着て戦っていました。他のチームを見ていると、帽子を取って、ガムをクチャクチャ…。堅いと言われるかもしれませんが、礼儀であり礼節。そういう部分をこれからも残していきたい」
 その任期を満了しても稲葉篤紀は「侍」であり続けるようだ。
(渋谷真)
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