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「思い切ってチームを2つに分けても…」超過密日程が待ち受けるJリーグ「固定メンバーでは厳しい」

2020年5月5日 10時33分

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吉田光範さん

吉田光範さん

元日本代表・吉田光範さんが自身の経験から提言

 Jリーグは2月21日に開幕した後、中断している。再開時期が検討されているが、34試合を予定通り消化するためには、超過密日程が待ち受けている。ほぼ週2試合で年間リーグ52試合だった1995年を磐田で経験している元日本代表で本紙評論家の吉田光範さんに、過密日程で選手やチームにどんな影響が出るのか想定してもらった。
 リーグ再開のメドは立たず、早くても7月。Jリーグは公平性を保つ観点から34試合開催を前提にしているため、過密日程は避けられない。
 「まず再開日が決まったら、一定の準備が必要になる。最大で1カ月活動を休止したチームもあることを考えると、最低限3週間は必要。地域によって活動が制限されるチームも出て、不公平になるかもしれない。それを考慮すれば、降格なしの措置は妥当だろう」
 週2試合で年間52試合だった95年の日程を見ると、6月28日から11月25日まで33試合を消化。他の大会にもよるが、物理的には不可能ではない。
 「社会情勢がどうなるか分からないが、逆算すると6月の頭に再開日が決まれば、同じような日程でできないことはない」
 94年44試合から95年52試合と増え延長、PK戦まであった。当時の選手はどう向き合ったのか。
 「移動、試合、移動をひたすら繰り返す感覚。修正する時間はまったくない。1試合プレーすると全身が筋肉痛になる。2、3日で取れて、残り数日でコンディションを整えるのが1週間のサイクル。週2試合が続くと、回復の時間だけ。シーズン終盤になると思うように体が動かない選手も出てくる。ただ『習うより慣れろ』という感じで、なんとかなるし、選手はやるしかない」
 当時はターンオーバー(選手の大幅入れ替え)という概念はなく、50試合以上プレーした主力も少なくはなかった。
 「トップとセカンドチームのレベル差が大きくて、主力が出ざるを得ない状況だった。今なら全体的にレベルが上がって、選手を入れ替えても、試合の質はある程度維持できる。今は、フィジカル面で求められるレベルが上がって、固定したメンバーで過密日程を戦うのは厳しい。思い切ってチームを2つに分けて戦うプランを立ててもいい。ホームで勝ち点3を狙い、アウェーでは若手を中心に編成するとか。監督やメディカルスタッフの判断がとても重要になる」
 95年は鹿島から広島までの本州14チームだが、今は札幌から鳥栖まで広範囲で移動の負担も増えている。
 「クラブとしてのマネジメントも成績を左右するだろう。当時、鹿島のナイターを終えて、そのままバスで磐田に帰ったことがあった。1泊して翌日移動するより、地元で休むほうがいいという判断だった。厳しい状況で最善の選択ができるか。クラブの本当の力が試されるシーズンになる」
 当初は想定されていなかった無観客開催も現実的になってきた。
 「選手にとって難しくなるのは間違いない。Jリーグ初期の過酷な日程が苦にならなかったのは、熱狂的な応援が支えてくれたのも一因。今のラグビー界に似ていて、突然注目を浴びて、選手は世の中に認められたいという気持ちでプレーしていた。今の選手たちもスタジアムにお客さんが戻ってきたら、ありがたさが身に染みると思う。そこで必死にプレーする姿を見たいし、今までにない展開がサッカー界のプラスに働くことを期待している」

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