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ゴール決めても抱き合わずハイタッチもなく…コロナ禍克服し開幕の韓国Kリーグで徹底される「防疫マニュアル」

2020年5月16日 21時03分

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韓国プロサッカー選手協会の金勲基事務総長(本人提供)

韓国プロサッカー選手協会の金勲基事務総長(本人提供)

  • 韓国プロサッカー選手協会の金勲基事務総長(本人提供)
  • 8日、全州W杯スタジアムでの全北-水原で、無観客で開幕したKリーグ(AP)

韓国プロサッカー選手協会の金勲基(キム・フンギ)事務総長に聞く

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期されていた韓国プロサッカーのKリーグが8日、当初の予定から69日遅れで開幕した。無観客に加え、ベンチの監督やコーチ、控え選手、第4審判らにもマスク着用が義務付けられた“厳戒態勢”の裏側には、ピッチ内外の行動指針などを定めた「防疫マニュアル」の存在がある。韓国プロサッカー選手協会の金勲基(キム・フンギ)事務総長(33)にオンラインで聞いた。
 開幕戦は昨季王者の全北が水原を1―0で破った。後半38分、元韓国代表FW李同国(イ・ドングク)がヘディングで決勝点。ただ、選手たちはいつものように抱き合ったり、ハイタッチしたりはしない。互いの腕と腕を合わせて喜びを分かち合うと、ゴール裏のカメラに向かって尊敬を意味する手話を披露し、医療従事者に感謝の気持ちを示した。
 4万2477席を誇る全州W杯スタジアムは無観客で、選手の声、体をぶつけ合う音、ボールを蹴る音が響いた。時折、録音されたサポーターのチャントがスピーカーから流される演出もあり、ピッチ上は白熱した。
 一方で、綿密に計画、準備された「防疫マニュアル」が淡々と遂行された。
 金勲基事務総長「選手たちの安全が最優先です。そのために厳しく細かく、徹底してやっています。熱のチェックは1日3回。移動中や練習の前後はマスクをする。手洗い、うがいはもちろん、(試合入場時の)エスコート、マスコットのイベントは禁止です。試合前の円陣、試合中につばを吐く行為、握手も駄目です。たとえ大統領がスタジアムに来ても、握手してはいけないと言っています」
 2月29日の開幕が延期された以降も、各クラブは防疫に気を配りながらチーム練習を続行した。選手間は2メートルの距離を保ち、至近距離での会話や給水ボトルの共用は禁止された。選手の体調、ピッチ外の行動記録はより厳格に管理された。
 4月19日。感染者数の減少を受け、韓国政府は屋外スポーツの無観客開催を許可した。すぐさまシーズン日程が再編され、今季のリーグ戦は従来の1チーム38試合から27試合に縮小された。過密日程によって選手が疲労すれば「感染しやすい状態になってしまう」(金事務総長)。選手協会の主張が受け入れられ、試合減となった。
 K1の12チーム、K2の10チームの全選手、スタッフ、チーム関係者など計約1100人を対象に4月27日から3日間にわたってPCR検査が一斉に実施された。「もしも誰か1人でも陽性だったら、開幕戦は延期になっていたかもしれません」と金事務総長。
 シーズン中に選手が感染した場合、感染者とその濃厚接触者は最低2週間は隔離され、所属チームの試合は最低2週間以上、延期される。選手、スタッフを追加登録する場合はチーム合流前にPCR検査を受けることも義務付けられた。
 厳重な予防対策や対処法とともに、リーグ、クラブ、選手たちの防疫意識は高い。金事務総長は「選手はまだ1人も感染していない。それはすごくいいこと。ただ、1人が感染したらシーズンが厳しくなると伝えています。選手の健康が第一。週に1、2度は選手にメールを送り、気を付けるように伝えています。まだ終わったわけではない。気を緩めず、やっていこうと伝えています」と言う。
 一足早くコロナ禍を克服し、ようやく開幕にこぎ着けた。再流行の危険と隣り合わせながら、Kリーグが踏み出した一歩の意味は大きい。
 金事務総長はこう呼び掛けた。
 「Jリーグにとって、今は我慢の時だと思います。選手、チーム関係者、ファンの皆さんが一丸となり、このピンチを必ず乗り越えてほしい」
 ◆Kリーグの主な感染予防対策
 【検温】選手や監督、コーチらは試合前日、試合当日午前10時、スタジアム入場時の計3度、体温をチェックする。
 【マスク】スタジアムではウオーミングアップと試合出場時以外はマスクを着用しなければならない。監督やコーチ、通訳、控え選手、第4審判、記録係、チーム関係者、メディアもマスク着用。全ての来場者は検温と手指を消毒する。
 【禁止行為】握手、プレー以外での体の接触、近距離の会話、試合中に過度に唾をはいたり鼻をかんだりする行為、給水ボトルやタオルの共用。

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