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「仕方ない」「締め付け」 2週間休業の飲食店も 県の時短要請始まる 

2021年8月12日 05時05分 (8月12日 09時54分更新)

時短営業を知らせる張り紙を掲示する水上徹さん=11日午後7時32分、敦賀市の敦賀コンパで


 新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、県による飲食店への営業時間の短縮要請が十一日、県全域で始まった。県は二十四日まで営業時間を午後八時、酒類の提供を午後七時までとすることを要請する。時短初日には飲食店だけを対象にした要請への不満や、あきらめが交錯した。(浅井貴司、高野正憲、曽根智貴)
 福井駅前の「ろばた焼弥吉駅前店」(福井市大手二)は、要請に従い、午後七時で酒の提供をやめた。ラストオーダー時には客から「やっぱり早いね」と残念がる声が上がったが、予約や入店時に時短の案内をしてあり、混乱はなかった。
 マスク会食の推奨などで感染防止に取り組む県の認証店。感染対策が取られているとして普段通り午前零時まで営業することもできたが、人の行き来が盛んな立地を考慮した。おかみの二丹田奉子さん(69)は「迷ったけれど、お客さまと従業員の感染が怖い」と判断の理由を明かした。県からの協力金は、従業員の給料に充てるという。
 店では、コロナ禍前の三割程度の売り上げが続く。市中心部の繁華街「片町」にある片町店も客足が戻らず、この日から同店は二週間の休業に入った。二丹田さんは「マスク会食を呼び掛け、ようやく浸透してきたところだったのに。でもこの感染状況では仕方がない」と受け止めた。
 敦賀市の繁華街「本町」の一角にある敦賀コンパ(清水町一)も、県の時短要請に応じた。本町では複数の飲食店から感染者が出ており、人通りはかなり少ない。午後七時現在、客はゼロ。店主水上徹さん(59)とバーテンダーで父の実さん(85)が客を待つが、徹さんは「きょうはお客は来ないのでは」と話す。徹さんは「今週、人が入らなかったら、来週以降は閉じてもいいかな」という。
 自粛要請に応じるのは「命に関わる病気なので、感染をこれ以上増やさないため。お酒が入ると、どうしても対策はおろそかになる」と徹さん。「飲食店だけ締め付けても他に感染が広がる可能性があるところはある。大阪では百貨店でクラスター(感染者集団)が発生した。一概に飲食店で発生するというわけではない」と訴える。協力金については「うちは親子で自分の店でやっているが、それでもぎりぎり」と話した。
 福井市の順化地区で「MUSIC BAR 言ト音」を経営する高橋隆造さん(27)も県の要請に応じた。「協力金があるからありがたい。小さな店なので額に不満はない」と県の支援策を評価。「すべての店が安心できるよう支給は迅速にしてほしい」と訴えた。

 県が巡回調査

 県は十一日、飲食店の営業時間短縮状況の巡回調査を開始した。二十四日まで県内の約六千四百店を調査する。
 調査員は午後八時以降に営業している店舗に対しては、感染対策を呼び掛けるチラシなどを配る。マスク会食などを推進する「ふくい安全・安心飲食店認証制度」の認証店と申請中の店は、感染対策が取られているとして午後八時以降も営業が可能となる。
 初日は調査員二人一組の六班態勢で、福井市内を巡回した。「ふくい安全・安心飲食店」の認証を申請中の同市順化二の「寿し割烹(かっぽう) 八重」では、調査員がマスク会食の呼び掛けや換気、消毒などの感染対策が書かれたチラシを手渡した。
 同店の福岡一夫社長は「感染対策を徹底していきたい」と気を引き締めた。同店は今後、午後八時以降も営業していく方針。 (中場賢一)

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