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「藤野先生」 あわら市民語る 魯迅の師 きょう命日 

2021年8月11日 05時02分 (8月11日 09時43分更新)
 

完成した藤野の動画をアピールする(左から)小川さん、後藤さん、徳丸さん=あわら市役所で


中国の文豪・魯迅が師と仰いだあわら市出身の医師・藤野厳九郎(一八七四〜一九四五年)について、地元住民が知るエピソードをまとめた動画「市民が語る生前の藤野先生」が完成した。藤野の命日である十一日に、市の公式ユーチューブチャンネルと藤野厳九郎記念館で公開する。制作に携わったメンバーらは、藤野の功績とともに人柄も広めていきたいと意気込む。 (畑明日香)

藤野厳九郎

魯迅


 藤野は一九〇四(明治三十七)年、仙台医学専門学校(現東北大医学部)の教師として、留学生だった魯迅と出会った。魯迅は自伝小説『藤野先生』の中で、藤野との師弟関係を記している。
 動画制作のきっかけは昨年十月、「ふくい歴女の会」会長の後藤ひろみさん(51)が同市中番で藤野に関する講演会を開いたところ、地元住民から生前の藤野に関するエピソードが次々飛び出したことだ。
 「これは残さなければ」と思った後藤さんは、藤野家の墓がある福円寺に相談。「証言を残した本はいくつかあるが、今の時代だから動画で残してはどうか」と福円寺が市に提案し、プロジェクトが始動した。
 動画撮影は市と市日本中国友好協会が主催し、内閣府の「クールジャパンコンテスト2020」動画部門で最優秀賞を受賞した映像作家の小川浩之さん(48)=福井市=が担当。今年二月の撮影には、あわら、坂井両市在住で生前の藤野を知る八十一〜九十三歳の男女六人が出演した。
 「患者さんに優しかった」「ちょっとでも違っていたら直す。一言で言うと『実直』」「魯迅の話なんて一回も聞いたことがなかった。自分の手柄話を言わない」。六人のインタビューをつないだ三分半ほどの動画では、真面目で謙虚な藤野を表すエピソードが語られる。中番長寿会の徳丸健一会長(75)や福円寺が地元住民に呼び掛けて集めた当時の風景写真や映像も組み込まれた。
 小川さんは「撮影しているうちに、これは記録として残さないといけないと感じた。リアルに伝えられるように編集した」と振り返る。後藤さんは「貴重な映像を残せたことに感動している。魯迅研究の一助にもなるのでは」と話していた。
 今後、十〜十五分程度に編集した動画も制作する予定。中国語の字幕をつけ、市と国際友好都市を締結している魯迅の出身地・紹興市に紹介することも検討している。

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