<「涼」を届ける> 金魚ゼリーソーダ(犬山市)
2021年8月11日 05時00分 (8月11日 10時39分更新)
鉢の中 映えるかわいさ
犬山市の犬山城城下町にあるカフェ、本町茶寮。築百年の古民家を改装した店内で浴衣姿の女性が声を上げた。
「わー、本当の金魚鉢みたい。冷たいし、めっちゃかわいい」
目の前には看板メニューの「金魚ゼリーソーダ」(五百五十円)。届いてすぐに口を付ける人はいない。まずはスマートフォンを取り出してカシャリ。次に自分を入れてもう一枚。満足いく写真が撮れたら、涼しげなソーダを堪能する。
レンタルの浴衣を着て、かわいい見た目の物を食べ歩く。撮った写真はアプリのインスタグラムに投稿して、多くの人に共感してもらう。これが今、犬山を訪れる若い女性のスタンダードな楽しみ方だ。
金魚ゼリーソーダは本町茶寮で最も「映(ば)える」商品の一つ。ソーダとレモンのゼリーが涼しげで、赤いようかんの金魚が泳ぐ。商品開発に携わった店員の兼松香さん(45)は「夏の一番の売れ筋で、かき氷よりもよく出てます。注文したお客さんのほぼ全員が写真を撮ります」と話す。
アイデア自体は二〇一四年に店がオープンした時からあった。ところが金魚鉢風のグラスがなかなか見つからない。ようやく見つかったのが一九年。発売するやいなや...
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