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広島と長崎、救済に一線 「被爆体験者」先行き不透明

2021年8月10日 05時00分 (8月10日 05時01分更新)
 国の指定地域外で長崎原爆に遭い、被爆者と認められていない「被爆体験者」の問題解決に期待が高まっている。政府が広島の「黒い雨」訴訟の原告を被爆者と認め「同じような事情にあった」人々の救済も検討しているためだ。原爆投下から七十六年。高齢化する被爆体験者は同時救済を求める。だが、菅義偉首相は広島と一線を画す方針で先行きは不透明。被爆地への姿勢が改めて問われる。

■いびつ

 「総理、被爆体験者に被爆者健康手帳を交付してください」。九日午後、長崎市のホテル。長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(81)が、菅首相との面会で詰め寄った。首相は直接答えず、その後の記者会見で「訴訟の行方を注視したい」と従来の見解を繰り返した。
 被爆者認定を求める訴訟の長崎市の原告岩永千代子さん(85)は「進んで裁判をしているわけではないのに」と憤る。国は長崎原爆の指定地域を、当時の行政区分に沿って爆心地から南北に約十二キロ、東西に約七キロと規定。九歳だった岩永さんは南南西一〇・五キロの長崎市深堀町(旧深堀村)で閃光(せんこう)と爆風に見舞われたが、このいびつな楕円(だえん)形のわずか外側だった。
 四十歳ご...

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