(7)野球少年に伝えたこと

2019年7月10日 02時00分 (5月27日 03時54分更新) 会員限定

名誉顧問を務めている少年野球チーム。グラウンドに行って練習に立ち会うこともある

 市議会議員の男性との出会いで、私は少年野球チームの名誉顧問になり、最初の仕事として子どもたち向けの講演会で話すことになった。今から思えば、講演は勢いで引き受けてしまい、正直、不安だらけだった。
 当時の私はまだ二十歳そこそこ。人前で長時間話をしたことはなく、ましてや、野球について語れるはずもない。悩んでいると、その市議から「君は子どもたちが野球さえうまくなれば、社会で生きていけると思うかい?」と尋ねられた。そして、「君が社会で必要だと思うことを話してごらん」とだけ言い残し、彼は帰っていった。
 私は講演会当日、自分の歩んできた道を話した。本当は普通の学校に通いたかったが、特別支援学校に通学したこと。卒業後、十九歳で名刺製作などを請け負う会社を起業したこと。そして、こう強調した。「勉強やスポーツができるだけでは、社会は生きていけない。大切なことは、ないものをねだらないこと。そして感謝の気持ちを持って生きていこう」
 もし、病気でなければ、障害がなければ…。そんな「ないものねだり」をしても仕方がなかいことだし、自分の持てる力を最大限に生かせば、道は開ける。起業して仕事が少しずつ舞い込み始めてい...

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