本文へ移動

90年代の馬主たちのよう、海外の新しい血で挑戦するホースマンが出てきてほしい【本城雅人コラム】

2021年8月9日 06時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加
シュネルマイスター

シュネルマイスター

◇コラム「ぱかぱか日和」
 1990年代、外国産馬は「外車」と呼ばれ、競馬ファンの憧れだった。クラシックに出られないのに、多くの馬主が欧米で外国産馬を購入した。その頃サンデーサイレンスが導入され、サンデー産駒の台頭で欧米との差が縮まり、外車を買う必要性がなくなったように思ってしまうが実はそうではない。サンデーサイレンスが日本馬のレベルを上げたのは揺るぎない事実だが、産駒のクラシックデビューは95年、その翌年から始まったNHKマイルCは、第1回は1~8着、第3回も1~7着独占と6年連続で外国産馬が優勝した。国産馬が、そこを目指さなかったこともあるが、当時の外国産馬はタイキシャトル、エルコンドルパサー、グラスワンダー、シーキングザパール、クロフネ、ファビラスラフインらそうそうたる顔ぶれ。クラシックが解禁されていたら、いくつかは外国産馬に取られていた。
 それが2002年から外車ブームは停滞し、NHKマイルCに関しては今春、シュネルマイスターが勝つまで内国産馬の勝利が続いた。今年、外国産馬が勝ったのは、内国産馬のレベルが下がったのではなく、むしろ海外が日本向きのスピード配合をしだしたような気がする。すでに持ち込み馬でオークス馬、朝日杯FS馬を出したフランケルは当然、キングマンなどもかつてのカーリアンのような日本向きの匂いが漂う。
 ただ、本来なら1強を誇るノーザン王国に外国産馬で太刀打ちし、大きなドラマが生まれるところが、シュネルマイスターはノーザングループの馬だ。サンデーレーシングの吉田俊介代表はアメリカのコンサイナー(セールに出場する馬を仕上げる人)に修業に出て、いち早く世界レベルを学んだ。国内での配合におごることなく、つねに世界に目を向けてきた結果なのだろう。その圧倒的国内王者を倒すためにも、90年代の馬主たちのよう、海外の新しい血で挑戦するホースマンが出てきてほしい。(作家)

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ