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反戦 ドクさんと誓う 金沢の市民団体 ウェブ交流

2021年8月8日 05時00分 (8月8日 11時28分更新)
交流会に参加したむぎわらぼうしの会員ら=金沢市三社町の県女性センターで

交流会に参加したむぎわらぼうしの会員ら=金沢市三社町の県女性センターで

  • 交流会に参加したむぎわらぼうしの会員ら=金沢市三社町の県女性センターで
  • 妻や子どもと一緒にあいさつするグエン・ドクさん(手前【右】)=オンラインの画面

「戦争 意味などない 若者に伝えて」

 金沢市の市民団体「平和サークルむぎわらぼうし」が七日、ベトナム戦争でまかれた枯れ葉剤の影響で結合双生児で生まれたグエン・ドクさん(40)とオンラインで交流した。戦争被害を経験している会員らが、反戦への思いを共有した。 (西浦梓司)
 金沢市三社町の県女性センターに会員十五人が集まった。ビデオ会議アプリで金沢市とベトナム・ホーチミン市などをつなぎ、スクリーンにドクさんらの姿を映して話を聞いた。
 ドクさんは双子の兄ベトさんと下半身がつながったままで生まれ、「ベトちゃんドクちゃん」と呼ばれた。
 ドクさんは、ベトナム戦争でまかれた枯れ葉剤に含まれるダイオキシンがベトナムの自然を破壊し、その後生まれた子どもの健康に重大な影響を与えたことを写真を使って解説。枯れ葉剤を使用していた米国軍の兵士もダイオキシンが有害であることを知らされておらず、被害者であったと訴えた。
 自身の半生にも触れ、七歳で受けた分離手術を振り返った。計十七時間にも及ぶ大手術を乗り越えて初めて一人の体になったが、ドクさんは「手術が成功してうれしかったが、何をするにも二人一緒だったから寂しさもあった」と話した。
 日本は人道支援活動などを通じて治療や生活を支援しており、ドクさんが来日した回数は五十回にのぼる。「日本は第二の故郷。私たちが苦しいときに支えてくれて、日本のみなさんにとても感謝している」と謝意を示した。
 社会への恩返しは自分の経験を若い世代に伝えることとの思いから、十年ほど前から平和についての講演会や、生活困窮者らへの慰問活動などに取り組んでいることを紹介。「戦争は言葉にできない本当にひどいこと。人を殺しても意味などないことをもっと若い人に伝えて一緒に反対していこう」と締めくくった。
 むぎわらぼうしの会員、大田健志さん(29)は「ドクさんは教科書の中の人という思いだったが、今回の交流で、一人の人として学ばせてもらえた。次世代につなぐという思いを受け取った」と話した。
 交流会を主催したのは、ドクさんの半生を描いた絵本の出版のためにクラウドファンディングを実施したNPO法人「美しい世界のため」(大阪府)。むぎわらぼうしも資金集めに協力した縁で参加した。

【メモ】グエン・ドクさん=1981年、ベトナム戦争で米軍の枯れ葉剤が大量散布されたベトナム中部で、兄ベトさんと下半身が結合した双生児として生まれた。88年に日本の支援を得て分離手術を受け成功したが、脳障害があったベトさんは2007年に亡くなった。現在はベトナムの病院に勤務し、妻と中学生の双子がいる。


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