(16)ついに出版 うれし泣き

2019年11月13日 02時00分 (5月27日 03時54分更新) 会員限定

出版記念イベントで、読者の方と触れ合う筆者(中央)

 本の出版が決まってから忙しい日々が続いた。原稿執筆と会社経営。そして私は、当時の編集長から指摘されていた文章技術にも思い悩んでいた。「まだ自分に能力が足りない…」 
 思い返せば、人生で「これでは駄目だ。もっと成長したい」と本気で思ったのは、この時が初めてだったかもしれない。
 そこで私は考えた。まずはここまでには本の発売をしたいというスケジュールを立て、その時期までには必ず原稿が仕上がっているゴールを設ける。編集長からは「文章が丁寧すぎて読みづらい」という指摘とアドバイスももらった。文章を書くというよりは、極力、誰かに話しかけているかのようなイメージで筆を進めてみることにした。
 原稿執筆のラストスパートには東京の編集長に愛知の私の自宅まで来てもらった。その四日間は、朝から晩まで原稿を書く合宿のようだった。
 文章を書いては、編集長に書き直される日々。あまりにも過酷だったので私は食欲もなく、栄養ドリンクばかり飲んでいた。編集長からは「栄養ドリンクもほどほどに…」と諭されていた記憶がある。
 そうして出版が決まってから約十カ月。二〇一二年十一月、私はついに子どものころから夢だった本出版の夢を二...

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