一秒でも早くメダル見せたい 卓球団体銅・張本、故郷へ思い
2021年8月7日 14時33分 (8月7日 14時33分更新)
大きな揺れに遭遇してから十年。東日本大震災を経験した仙台市出身の張本智和選手(18)=木下グループ=が六日、東京五輪の卓球男子団体で銅メダルを獲得した。「復興五輪」を掲げた今大会。「一秒でも早く仙台に(メダルを)持ち帰って、皆さんに見せたい」。故郷への思いは強い。 (磯部旭弘)
「被災者の一人として、宮城のため、東北のために戦いたい」。張本選手は大会前に誓った。
小学一年生だった。二〇一一年三月十一日、揺れにおびえ、夜はろうそくをともして車中泊をした。両親の出身地の中国に一カ月ほど避難。日本の友達が恋しくなり、学校で再会できたときには「とにかくずっとしゃべっていた」とほっとした。
震災翌年の一二年九月。ロンドン五輪の女子団体で銀メダルを獲得した同郷の福原愛さんが地元に凱旋(がいせん)し、メダルを生で見る機会があった。
「チャンスがあるからには自分も出たい。メダルを取って、被災した方々に見せられたらいい」。幼心に残るおぼろげな記憶は、大きくなるにつれ明確な目標に切り替わった。その一年後、東京五輪の開催が決まった。
卓球界を驚かせるような急激な成長で、世界に羽ばたいた。海外で活躍する中、...
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