(19)テレビ電話で新規事業

2019年12月25日 02時00分 (5月27日 03時54分更新) 会員限定

テレビ電話を使って、営業活動をする2015年秋ごろの筆者

 「どうしても、テレビ番組に出たいんです」   
 東京で会った医療ジャーナリストに、私はテレビのドキュメンタリー番組に出たいという夢をしつこく懇願し続けた。すると彼は「今は無理だ。いつか君が出るべき人になったら、その時にもう一度考えよう」と言ってくれた。今思えば、彼は遠まわしの断りを入れたつもりだったのだろう。だが私は当時、生意気にも「番組が放送されるのが楽しみですね」と返した。
 彼は身内に介護職の方がいることもあって障害者への理解があり、私と気が合った。「障害者=助けられる側」という社会のイメージを変えたい-。私の思いを伝え、頻繁に連絡を取り合った。
 同じころ私は、障害者雇用促進の一環で、新規事業を立ち上げようとしていた。自宅から出ることが難しいほどの重度障害者がテレビ電話を使って、有料で他の障害者の悩みを傾聴する。同じ障害者だからこそ悩みを理解できるはずだと考えた。このビジネスモデルは弱者を生み出さず、障害が武器になる。
 問題は、誰がお金を払ってくれるのか。障害者を雇用している会社が社員サービスとして利用してくれることが理想的だった。あちこちに営業をかけると、大手食品メーカーのネス...

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