(27)声が戻った! 病室も笑顔

2020年4月22日 02時00分 (5月27日 03時54分更新) 会員限定

声を取り戻し、病室で迎えた誕生日。看護師たちが祝ってくれた

 四年前に声を取り戻した瞬間、私は震えるほど歓喜した。人生の中で、あの時ほど達成感を感じた瞬間は他にない。
 三カ月ぶりに発した言葉は、「声が…出た…」。人工呼吸器の力を借りての発声で、小さくか細かったが、大金星。母や看護師は、みんな涙していた。こんなうれしい時になぜ泣くのか、私は不思議だった。
 その時、喉のチューブ交換をしてくれた執刀医が笑顔で言った。「良い声ですね。ちゃんと声は出ています。もう大丈夫」
 その瞬間、私は涙があふれて止まらなくなった。涙声交じりの中、途切れ途切れに「ありが、とう、ござい、ました」と言った。
 「人といっぱいお話ししてください。それがリハビリになり、そのうち前と同じように話せるようになりますから」。執刀医はそう言って、続けた。「来月東京の病院に行くことになったんです。最後に佐藤さんの声が聞けて本当に良かった。ありがとう」。彼は私に最高のプレゼントを残し病室を後にした。
 家族や友達、仕事でお世話になっている方々に電話し、声を取り戻した報告をしていった。
 病棟の看護師たちともたくさん話をした。集中治療室から戻った後の約三カ月、壮絶な日々を懸命に支えてくれ、いつも変...

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