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レアだが侮れない『函館から新潟遠征』馬連44.9倍を演出…のちに14年セントウルSを制すリトルゲルダの記憶

2021年8月6日 06時00分

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ルコルセール

ルコルセール

◇獣医師記者・若原隆宏の「競馬は科学だ」
 レパードSにエントリーしたルコルセールは、ちょっと珍しい臨戦過程で同競走に臨む。先週の1週間、函館に出張して在厩馬の調教をたっぷり観察させてもらったが、同馬は記者の目の前ですこぶる動いていた。今週も函館に残って水曜に函館Wで時計を出し、その後の新潟遠征。すなわち、函館からの新潟遠征だ。
 こうした臨戦過程は少数だが侮れない。記者の中で非常に印象深いのは2012年夏のことだ。函館ですこぶる動いている3歳馬がいたのでゼッケン表を照合して鮫島厩舎を訪ねると「未勝利を勝ち上がったばかりだけれど、見ての通りの走る馬。前走に引き続きここからの新潟遠征で千直を使う」。そんな臨戦過程もあるのかと驚いたのを強烈に覚えている。
 果たして遠征先では17・1倍の伏兵評価だったが、週末のコラムでも推奨。鼻差2着に食い込んで馬連44・9倍という中穴の片棒を担いでくれた。後に14年セントウルSを勝つリトルゲルダである。
 函館からの新潟遠征という選択肢は、函館の調教基地としての優秀さを表していると記者は考える。札幌への遠征での成績はすでに札幌序盤の当欄で述べたが、新潟遠征も例は少数ながら成績は悪くない。時局柄、競走馬の移動、遠征事情が正常でなかった昨年は別にして、14~19年の6カ年について調べてみた。7、8月に開催された新潟競馬の出走馬の内、函館からの遠征馬は19頭。馬券圏内は2着1回3着2回だが、平均人気順7・10に対して平均着順6・21。人気より平均して1着順近く上に食い込んでいる。
 要因としては複数考えられる。Wコースを持っていて、もともと調教施設として優れているという点。新潟遠征に関しては、青森港にフェリーで着いてしまえば、約450キロ。美浦~京都間より100キロほど短い。船便含みで考えれば、ほぼ美浦~阪神の遠征と地理的には変わらない。もうひとつ、新潟で新聞各社の打たれる印は美浦の視点が中心で、函館が盲点になりやすい。
 いずれの理由にせよ、函館からの新潟遠征馬は、馬券的に侮ってはならない背景を持っている。

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