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吉田麻也「最後のワンプレーだけ差が出た」体張り続けるも…突かれた『一瞬の隙』【東京五輪サッカー】

2021年8月4日 00時05分

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スペイン代表と競り合う吉田(右)=AP

スペイン代表と競り合う吉田(右)=AP

◇3日 東京五輪 サッカー男子準決勝 日本0ー1スペイン(埼玉スタジアム)
 史上初の決勝進出を目指した日本だったが、延長後半の最少失点で強豪・スペインに屈し、1次リーグで同組だったメキシコとの3位決定戦(6日・埼玉スタジアム)に回ることになった。日本の五輪での最高位は1968年メキシコ五輪での銅メダル。日本は53年ぶりのメダルを懸け、北中米の雄との再戦に臨む。
   ◇   ◇
 無観客の埼スタに無情の笛が鳴り響く。決勝に手を掛けながら、あと一歩、半歩、届かなかった。吉田はピッチに大の字になり頭を抱えた。3分、4分、5分…。動けない。その両目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
 「115分近く我慢し続けたが、最後のワンチャンスでクオリティーが出た。最後は個ではがされてしまった。はがされてもカバーを徹底していたが、最後のワンプレーだけ差が出てしまった」
 延長後半10分。自陣左サイドでスローインをつながれ、アセンシオの強烈な左足に沈んだ。中山がマークを外し、板倉、吉田のカバーも間に合わない。一瞬の隙。「1発があるのは全員が理解していたが、相手が上だった」と谷。重すぎる1点。スペインの大エースに、息の根を止められた。
 押し込まれ、圧倒された。ボール支配率は今大会最低の39%。許したシュートは18本に上った。それでも走り、粘って耐えた。体を張り、ユニホームを汚した。板倉、吉田が何度もシュートをブロックした。後半43分のピンチには谷がビッグセーブした。「ボールは保持されたが、しっかり研究していた」(吉田)。心は折れるどころか、ピッチ上では「できる」「やれる」と声が飛び、反攻の糸口を追い続けた。
 53年ぶりのメダルを懸けた大一番。格上も格下も力の差も関係ない。力の限りを尽くした魂の120分。勝てなかったが、吉田は「まだ倒れるわけにはいかない」と声高に言った。2012年大会は準決勝でメキシコに敗れ、チームは燃え尽きた。その悔恨を知るからこそ、最後に言葉を絞り出した。
 「いい試合をしたと美化されて終わるんじゃなくて、結果を出して終わりたい。最後はメダリストになって、笑って終わりたい」
 戦いが続く限り、まだ悔し涙を流すわけにはいかない。
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