本文へ移動

腎不全治療薬の副作用を診断 浜松医大の大石さんら新手法解明

2021年8月3日 05時00分 (8月3日 05時03分更新)
国際学術誌に研究成果が載る快挙を果たした大石真子さん=浜松市東区の浜松医科大で

国際学術誌に研究成果が載る快挙を果たした大石真子さん=浜松市東区の浜松医科大で

 浜松医科大医学科四年生の大石真子さん(22)と同大ナノスーツ開発研究部の河崎秀陽部長らが、腎不全に伴う高カリウム血症の治療薬の副作用を、元素分析によって簡便かつ正確に診断できる新たな手法を明らかにした。成果は、国際学術誌「Diagnostics」に掲載された。 (細谷真里)
 急性・慢性腎不全の患者は、腎臓の働きが悪くなることでカリウムを十分に排せつできなくなる。そのため、高カリウム血症の治療薬として、血清カリウム抑制剤を使用する。ただ、同抑制剤がまれに腸に沈着し、便秘や腸閉塞(ちょうへいそく)、腸管穿孔(せんこう)などの副作用が現れることがある。
 この副作用について正確な診断を出すにはこれまで、患者から消化管組織を採取して沈着した薬物の形態を光学顕微鏡で分析し、服薬履歴などの情報とともに総合的に判断してきた。時間と手間が掛かり、類似薬剤による症状との区別が難しいことが課題だった。
 大石さんと河崎部長らが、病理診断で同抑制剤の沈着が疑われた患者九人から採取した消化管組織を光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて分析。元素分析を行ったところ、同抑制剤の持つ硫黄元素を検出することで、確定診断に至ることが証明された。
 河崎部長は「今後、血清カリウム抑制剤と類似する薬剤の診断に役立つことが期待される。他の重金属や薬剤の沈着に対する病理診断法としても応用できる可能性があり、新たな一手法として展開していくのではないか」と期待する。
 大石さんは、大学の基礎配属で昨年九月から一カ月間、ナノスーツ開発研究部に所属したことをきっかけに研究に携わった。「研究は地道なものなんだな、と学べた。とても貴重な経験となりました」と話した。

関連キーワード

PR情報

静岡の新着

記事一覧