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“オロロ”捕獲 住民守れ 夏に大量発生 吸血アブ

2021年8月2日 05時00分 (8月2日 09時58分更新)
オロロこと「イヨシロオビアブ」

オロロこと「イヨシロオビアブ」

  • オロロこと「イヨシロオビアブ」
  • オロロ用の箱型のわな=白山市瀬波で
  • 自らおとりになってオロロをおびき寄せ、虫捕り網で捕まえる松下雄馬さん=白山市瀬波で
  • オロロをおびき寄せるためにキャンプ場に置いたLEDライト=白山市瀬波で

県立大の研究室、白山・瀬波川で実験
自分おとりに ライトでおびき寄せ

 夏になると北陸地方の山間部に大量発生し、吸血するアブの仲間「イヨシロオビアブ」。地元では“オロロ”と呼ばれ、住民を苦しめている。この現状を打破しようと、県立大(野々市市)の研究室が七月から、効果的にオロロを捕らえる方法を探り、地域に役立てる研究を白山市の山麓で挑戦している。ライトでおびき寄せるわなや、学生自らおとりになる捕獲法などさまざま。住民もどんな効果が表れるのか、熱視線を向けている。(都沙羅)
 オロロは、人や動物の皮膚を口で切り裂いて血液を吸い、かゆみを残す。清流を好み普段は茂みにいるが、黒色や二酸化炭素(CO2)を排出する車などを見つけると、動物と思い込み寄っていく。一九九三年の論文「石川県吉野谷村におけるアブトラップ東北農試型の改変によるアブの捕獲」(早川博文、田中一人)には、九日間の調査で約二万匹のアブ類が捕獲されたという記述が残っている。
 同大の弘中満太郎准教授(46)=応用昆虫学=は昨夏、手取川支流の瀬波川周辺で住民やレジャー客がオロロの被害に苦しんでいると知った。下部を黒く塗ってオロロをおびき寄せ、閉じ込める木箱のわなはあるが、数が多すぎて焼け石に水状態だった。
 研究に着手すると、薄暗くなる夕方や早朝に大量に出現することが分かった。弘中准教授は「薄暗い時におびき寄せるには、LEDライトが有効なのでは」と仮説を立てた。
 今年七月から、四年生の松下雄馬さん(22)と大学院修士一年生の西嶋優さん(22)とともに瀬波川で実験を開始。まず、オロロが多く出現する時間帯や天候を調べ、八月から、ライトで粘着シートを照らし、止まると逃げられない、新考案のわなを仕掛ける。
 松下さんは自身がオロロの大群に襲われる「人囮(ひとおとり)法」にも挑戦中。大きな羽音を立てながら松下さんに群がる中、虫捕り網を約一分間振り回すと底にごっそりと黒くたまった。
 瀬波川周辺はキャンプや川遊びで訪れる客も多く、オロロは悩みの種。キャンプ場を運営する広崎邦夫さん=瀬波=は「アブが理由で予約をキャンセルする人もいる。どれだけ捕れるのか研究の結果に期待」と話す。松下さんは「LEDライトで捕獲率が上がれば被害はかなり減りそう」と期待を込める。

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