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日本開催なのに会場に漂うアウェー感…せめてもの「地の利」はボランティアのささやかな拍手【担当記者コラム】

2021年8月1日 14時46分

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柔道最終日、男女混合団体で2位となり、銀メダルを手にする日本チーム

柔道最終日、男女混合団体で2位となり、銀メダルを手にする日本チーム

 柔道会場の取材エリアで日本勢を追いかける報道陣のそばに、影のように奔走する人がいた。主に海外メディアが日本選手に質問するのを手助けする英語通訳のボランティアだ。普段はエンジニアとして働く50歳の男性で、職場でも英語を使うため、ボランティアを思い立ったという。
 8日間で9個の金メダル。通訳も多忙を極めたと思われるが「本当にやってよかった」と男性は言う。「『こういう質問をして』と頼まれても、初めは多くの記者の方の中でタイミングをつかめず、難しかった。私が通訳した記事がホームページに載っているのを見ると、やりがいを感じましたね」と笑顔で語ってくれた。
 無観客試合となり、人もまばらな会場ではボランティアの姿が一層目立つ。記者席で飲み物を口にした後にマスクを着け忘れようものなら、数分もたたないうちに「エクスキューズ・ミー」と声を掛けられる。地味な役割もきっちり果たしていた。
 日本勢の試合となると、手の空いているボランティアたちが、パチパチと拍手を送る姿も見られた。柔道会場で大声援を送っていたのは海外の関係者ばかり。日本は忠実にルールを守るので、ときに「アウェー感」があった。あのささやかな拍手が、せめてもの地の利だと感じられた。
(木村尚公)

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