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<三河撮りある記>(84) 豊田・大蔵町の風天洞

2021年8月1日 05時00分 (8月1日 09時51分更新)
 頭をぶつけそうなほど低い洞窟の中を少しずつ進むと、壁一面に貼り付けられた風天神の面をはじめ、古今東西のさまざまな神仏を祭る像が次から次へと現れる。手にした懐中電灯の光が像に当たって影となり、訪れた人たちは神秘的な光景に圧倒される。
 豊田市大蔵町(足助地区)の岩戸山観世音寺にある岩窟寺院「風天洞(ふうてんどう)」。観世音寺は一一七八年建立で、かつてこの地を治めていた徳川氏の家臣、原田氏一門の菩提寺(ぼだいじ)だったとされる。
 もとは浄土宗だが、地元の集落は異なる宗派が主流だったため檀家(だんか)はいなかった。無人になってからは長らく住民が管理してきた。しかし、高齢化により寺の維持が難しくなり、縁あって西尾市で日蓮宗の住職をしている若山真洋さん(67)が管理。現在、風天洞のほか、十二支を模した守り本尊など多種多様な仏像を目玉に参拝客を呼び込む。
 花こう岩が折り重なってできた洞窟は、行き止まりになっている場所がいくつかあり、長らく有効活用されていなかった。そこで新たな寺のシンボルにしようと一九七五年に内部を拡張し、延長五百メートルの一本道に変貌した。
 若山さんによると、「風天洞」の名前の由...

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