渡辺・東野、戦術の銅 香港組の強打逆手に
2021年7月31日 05時00分 (7月31日 05時02分更新)
上背のある香港ペアの強打を逆手に取るような、したたかな渡辺、東野組の戦いぶりだった。思い切りスマッシュを打たれても、それが向こうの失点となる配球。「内容は決して良くなかった。最後は気持ちのぶつかり合いだった」。そんな渡辺の言葉とは裏腹に、巧みな戦術で流れを離さなかった。
空調の関係で風上側のコートだった第1ゲームは、思い切り攻めて風にシャトルを乗せた。注目は風下側に回った第2ゲーム。低いショットでラリーを組み立て、高い軌道で相手を奥に下げるクリアをほとんど使わなかった。甘くなった球を打ち下ろされるリスクを避けるだけでなく、別の狙いも見え隠れした。
低い球筋は強打したとしても、角度のあるスマッシュは打てない。コートに対して角度が浅くなることで飛距離も伸びてしまい、風上の相手にとってはアウトになりやすくなる。実際に第2ゲームで渡辺、東野組が積み重ねた23点のうち、4分の1以上が相手の後方のアウトだった。
福島・富岡第一中(現・ふたば未来学園中)で組み始めて、もう10年以上になる。互いにパートナーの特徴や性格を知り尽くしているから、大舞台でもぴったり息が合って戦術もはまった。1学年上の東野...
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