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トラブルで禁止場所が多いスケボー 五輪を機に施設整備進むか

2021年7月31日 05時00分

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地域で手軽に楽しめる施設はまだ少ないのが実情という=東京・世田谷公園で

地域で手軽に楽しめる施設はまだ少ないのが実情という=東京・世田谷公園で

 東京五輪スケートボード・ストリート男子で堀米雄斗選手(22)=XFLAG=、女子では西矢椛選手(もみじ、13)=ムラサキスポーツ=が金メダルに輝き、彼らの妙技が一気にスケボーを話題の中心に引き上げた。しかし、国内では騒音や一部のマナーの低さなどの問題からスケボーを楽しめる場所はまだ少ないのが実情。五輪のメダル効果でスケボーをめぐる環境改善に追い風が吹くか。
 スケボーをめぐっては、公園などでボードが路面をたたく音や若者が集まって騒ぐなど、各地で近隣住民からの苦情が相次ぎ、警察への通報に至るケースが起きることもあった。
 東京・世田谷公園にあるスケートパークは世田谷区が設置、初心者から上級者が登録することで無料で楽しめる施設。3人の子どもを連れてきた母親(39)は「練習の数を重ねるだけ上達するから子どもたちが通える場所にスケートパークがあるのは助かる。こういった施設がないとどうしてもやってはいけない場所に行ってしまう」と話した。「ここは周囲を金網で囲ってあるのでボードが飛び出すこともないので安心できるが、けがをしやすいので、お互い危険がないよう譲り合うなどマナーの大切さも子どもは学ぶのでは」という。
 施設のコンサルタントも担うNPO法人日本スケートパーク協会(東京・八王子)によると、スケボーが楽しめるよう整備された全国のスケートパークは規模の大小含め今年5月の調査で公共243カ所、民間175カ所で計418カ所ある。東京五輪開催決定後の17年の調査に比べると、公共施設は倍増しているが、実情は厳しく、施設がないエリアではマンションの敷地や商業施設の駐車場などに入り込み、トラブルになる例も少なくないという。その結果、公共スペースでも「スケートボード禁止」の看板が立つことも多い。
 同協会の河崎覚代表理事は「堀米選手、西矢選手のメダル獲得後、協会への激励や『子どもたちがスケボーを楽しめる施設を増やしてほしい』など、反響が絶えない」と話し、多くが住民の苦情などネガティブなイメージからの脱却、施設増を期待している内容。協会も公式サイトで「ごみの放置や施設の破損などが起こらないよう誰もが楽しめる場所が増えるアクションを」と呼び掛けている。
 さらに「(日本五輪史上最年少の金メダルとなった)西矢選手のように幼いころからスケボーになじむには、子どもの狭い行動範囲に施設がないと楽しむことはできない。そんな基盤を変えるきっかけになれば、手軽なスポーツとしてさらに広まると思う」としている。
 上級者も楽しめる東京都内のスケートパークの担当者は「日本勢の活躍で来場者や問い合わせが増えた。ふだん別の場所で楽しんでいた人が(五輪を見て)パークで滑ろうと関心を持ったのでは」と推測している。
 河崎さんは「西矢選手が13歳で世界の頂点に立ったように、これからスケボーを始めた子どもが24年パリ五輪に出場することも夢ではないでしょう」と広がりを願っている。
 五輪のスケートボードは8月4日女子パーク、5日に男子パークのそれぞれ予選が始まる。日本勢がさらに活躍すれば、施設整備など基盤発展につながる風も強まりそうだ。

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