本文へ移動

防災ビール エコな味 「ごみから災害時エネ」 県立大・馬場講師

2021年7月31日 05時00分 (7月31日 05時03分更新)
県立大の畑でホップを育てる馬場保徳講師=野々市市末松で

県立大の畑でホップを育てる馬場保徳講師=野々市市末松で

  • 県立大の畑でホップを育てる馬場保徳講師=野々市市末松で
  • 馬場講師らが開発した「BOSAI BEER」の瓶と育てたホップ

来月発売 廃液を肥料にホップ

 県立大(野々市市末松)の馬場保徳(やすのり)講師(39)が、身の回りのごみからメタンガスを作る際にできる液体を肥料に応用してホップを育て、ビール製造の「金沢ブルワリー」(金沢市)とともにビールを開発した。防災研究から生まれた地ビール「BOSAI BEER(防災ビール)」と名付け、八月から販売する。 (都沙羅)
 醸造したのは、ドイツの白ビール「ヴァイツェン」。ビールの苦味が苦手な人も飲めるよう、清涼感がありフルーティーな味わいにした。ホップは「ザーツ」という品種で、スパイシーな香りを楽しめる。
 馬場さんは東北大に勤務していた二〇一一年、東日本大震災で被災。電気やガスが不足して困った経験を踏まえ、どこでもエネルギーを生み出すための研究を続けている。ごみが牛の胃液によって発酵すると、メタンガスができることを解明。メタンガスをエネルギーに活用する防災拠点を地域の公民館などに設けることを目指している。
 ガスが生まれる際、ごみと同じ量ができる残り液「発酵残さ液」には、牧草栽培の肥料として効果があると証明されており、「農業でエコな堆肥としても使えたら」と考えた。
 メタンガスを作り続けるには、ガスの生成現場を見守る人の人件費を確保するのが課題だった。わずかでも収益を上げながらガスを作るため、加工品の販売に着目。自身もビールが好きで、県内のビール製造会社に企画を提案した。賛同した金沢ブルワリーが醸造を担当し、馬場さんは大学内の畑でホップを育てた。
 ビール瓶にも防災研究へのこだわりをのぞかせる。ラベルには、高齢男性が男の子から手渡された雑草でメタンガスを作り、生成されたメタンガスでカレーを作るイラストを用いた。メタンガスで点灯した明かりや充電中のスマートフォンも描かれている。印刷されたQRコードを読み取ると、防災研究を紹介するウェブサイトが閲覧できる。
 馬場さんは「ビールをきっかけに、災害時のエネルギーづくりに興味を持つ人が増えたら」と話している。
 防災ビールは八月に無印良品野々市明倫通り店(野々市市堀内)の店舗前で販売を予定するほか、金沢ブルワリーのホームページから購入できるようにする。一本三百三十ミリリットルで、価格は五百円前後で検討中。

関連キーワード

PR情報

石川の新着

記事一覧