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人目はばからず泣きじゃくった素根輝 「3倍努力」柔道にささげた青春【東京五輪】

2021年7月30日 18時47分

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金メダルを獲得した素根輝

金メダルを獲得した素根輝

◇30日 東京五輪 柔道女子78キロ超級(日本武道館)
 五輪初出場の素根輝(21)=パーク24=が金メダルを獲得した。高校時代に流したうれし涙、そして豊富な練習量がさらなる成長につながった。
 福岡・南筑高の松尾浩一監督(48)が教え子の素根の涙を見たのは一度だけだ。2018年4月の選抜体重別決勝。3連敗中だったライバルの朝比奈沙羅との12分近い激闘を制すと、人目もはばからずに泣きじゃくった。「越えるべき壁だったんでしょうね」と松尾監督。当時17歳。この試合を契機に、素根の成長は加速していく。
 身長162センチと最重量級では極めて小さい。大柄な朝比奈や外国勢に立ち向かうため、素根は懐に潜り込んでからの背負い投げを一心に磨いた。松尾監督は「練習では30分くらいぶっ続けで投げ続ける。男子選手5、6人が順番に練習台になってようやく。乱取りは普通の高校生なら多くても15本程度だが、輝は25本。こんな選手を見たのは初めてだった」
 東京五輪が延期となると、素根は異例の決断をする。20年夏、所属していた環太平洋大を中退し、練習拠点を南筑高へ戻す。「五輪に向けて柔道に集中したい」と素根。学業などの縛りもなく、母校では練習量も内容も素根自身が「体力の限界まで」と決められる。他の代表組とは一線を画す、オレ流の稽古で五輪に備えてきた。
 座右の銘は「3倍努力」。昭和の名柔道家・木村政彦が世に広めたとされる名言を、素根は幼少期から父に刷り込まれた。「人の2倍3倍努力しないと勝てない。練習は裏切らない」と素根。学校での練習を終えると、帰宅後も体を動かし、1日5~6時間の練習は当たり前だった。青春を柔道にささげ、21歳が念願の金メダルを手にした。
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