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熱海土石流、遺体1人の身元判明 行方不明者5人に 

2021年7月29日 05時00分 (7月29日 05時02分更新)
坂本光正さん=知人のフェイスブックから

坂本光正さん=知人のフェイスブックから

  • 坂本光正さん=知人のフェイスブックから
 熱海市伊豆山(いずさん)の土石流災害で、市は二十八日、前日に見つかった遺体が坂本光正さん(44)=同市伊豆山=と判明したと発表した。死者は二十二人で、全員の身元が判明。行方不明者は五人となった。
 坂本さんは、般若院北西側の捜索現場の土砂とがれきの中で見つかった。二十八日の捜索は七百人態勢で続けられたが、新たに見つかった人はいなかった。
 また、市は二十九、三十日、被災者の生活再建に向けた説明会を被災地区や避難先となっているホテルの計五カ所で開催すると発表。市の担当者が罹災(りさい)証明書や公営・民間住宅の準備状況などを説明し、住民からの質疑も受け付ける。
 二十九日午後三時に国道135号の通行止めが解除される予定。国道開通に伴い、東海バスは三十日から熱海駅−湯河原駅間の運行を再開、熱海駅−七尾原・七尾団地方面も一部経路を国道に迂回(うかい)して運行する。
 避難先の市内のホテル二カ所には二十八日正午現在、三百三十二人が避難している。斉藤栄市長は「バス路線も完全ではないが今後、一部で再開される。避難者の帰宅が進むことを期待する」と述べた。 (山中正義)

◆「面倒見の良い人」坂本光正さん

 坂本光正さんは伊豆山神社の例大祭奉賛会で役員も務めた経験があり、周囲から「面倒見の良い人」と慕われていた。土石流の発生時は近所の人の避難を助けた後に土砂に巻き込まれたとみられ、人柄を知る人たちが悼んだ。
 坂本さんの娘で高校生の紗花(すずか)さんの行方も分かっておらず、土石流に巻き込まれたとみられている。
 坂本さんの自宅近くの六十代主婦は三日朝、土石流から逃げる際、脚が悪くて越えられずにいたフェンスで、坂本さんが腕を引っ張り上げてくれた。「坂本さんが腕を引っ張ってくれなかったら助からなかった。命の恩人」と話した。
 災害現場に近い伊豆山神社では例大祭で御鳳輦(ごほうれん)という行事があり、地元の厄年の人が参加。坂本さんは二〇一九年度の厄年奉賛会「伊豆山巳午友志童會(いずさんみうまゆうしわっぱかい)」の運営副本部長を務めた。
 小中学校時代に坂本さんの後輩で、同じ野球チームや野球部に所属していた男性は「昔から面倒見の良い人。自分より後輩のことを優先に考えてくれる人だった」と話した。
 坂本さんと同じ中学で先輩だった男性(46)は、子ども同士が地元の学童野球チーム「伊豆山イーグルス」のチームメートだった。遺体の身元が坂本さんと分かり、「『本当に?』という感じはある。残念」と話した。今も行方不明の紗花さんのために、男性は家族で祈り続けているという。
 熱海中時代の同級生だった男性(44)は「(坂本さんが)見つかって良かった。でも、まだ、娘さんが見つかっていないので複雑」と言葉をしぼり出した。
28日午後4時現在(敬称略)=身元判明分

亡くなった方
 臼井直子(38)、太田洋子(72)、小川徹(71)、石田明(69)、木村京子(84)、草柳笑子(82)、小磯尚子(61)、鈴木チヨセ(82)、坂本玲子(87)、田中路子(70)、西沢友紀(44)、根来敏江(69)、古川謙三郎(82)、古川静子(77)、松本孝広、好川美代子(76)、太田佐江子(93)、瀬下陽子(77)、坂本光正(44)=熱海市伊豆山、天野初(56)、天野稲子(85)=同市網代、トオヤマ・ユウジ(伊東市)
行方不明者
 県公表分 太田和子、松本光代、太田幸義、坂本紗花、松本季和(いずれも熱海市伊豆山)

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