本文へ移動

<#不登校> 「わたしの体験談」特集 味方は、必ずいるよ

2021年7月29日 05時00分 (7月29日 05時00分更新)
不登校の時に作っていた「お弁当ノート」を見ながら、当時を振り返る女子生徒

不登校の時に作っていた「お弁当ノート」を見ながら、当時を振り返る女子生徒

 「学校だけが全てじゃない」「味方になってくれる大人は必ずいる」−。中日新聞「学ぶ面」で随時掲載している不登校関連の「#わたしの体験談」コーナーには、全国から力強いメッセージが寄せられている。より良い社会を願い、経験を包み隠さず語ってくれた当事者4人の声を紹介する。 (北村希)

焦らずゆっくりで 通信制高校・女子生徒(16)=三重県

 ▽いつから不登校に
 小学三年の冬休み明け直後、突然朝から涙が止まらなくなり休みました。そこから二年、不登校でした。学校は楽しく嫌なこともなかったので、自分でも原因は分かりません。休んでいる間、病院のカウンセリングと自治体の適応指導教室に通っていました。
 また学校に戻って勉強についていけるか、友達は仲良くしてくれるか、二年間焦りはありました。久々に行く怖さが募っていきました。そんな時はもの作りが好きなので、自分でお弁当を作ってノートにまとめたりしていました。
 ▽再登校のきっかけは
 記憶にないほどささいなことで五年の終わりに学校へ。まずは別室や午前だけ行きました。休んでいた間、担任の先生が「いつでも自然に受け入れられるようにしておく」と言ってくれていて、久しぶりなのに本当にみんなが自然に接してくれました。周りにとても恵まれました。楽しく通っていたのですが、中三の時、朝突然起きられなくなり再び不登校に。病院では起立性調節障害かもしれないと言われました。中学生には十人に一人いるそうです。
 ▽また焦りはあった?
 小学生の時、一度学校に戻れたので前より焦りはありませんでした。家で勉強や手芸をしていました。行きたかった高校は毎日登校が必要なので断念し、通信制に進学。少人数クラスに体調に合わせて通っています。毎日行かなくてもいい単位制なので気持ちが楽です。友達もできました。
 ▽自身の経験から伝えたいことは
 原因が分からず不登校になったり、学校へ行きたくても体調の調整が難しかったりする子もいます。学校へ行かないことが悪いことだと決めつける言動は悲しいです。不登校の子を優しく見守る社会になってほしいです。どの学校にも少人数のクラスができたら、通いやすい子も増えるのではないかと思います。不登校の子へ、焦らず、ゆっくりでいいと思います。

学校全てじゃない 通信制高校・女子生徒(18)=福岡市

 ▽不登校はいつから、なぜ?
 小2の担任が毎日感情的に怒鳴り、自分も怒られたような気持ちで嫌でした。保健室登校になり、授業で教科書を忘れると「保健室に帰れ」と。学校って何だろうと。その後、市の適応指導教室に通いました。中学を機に別室登校を始めましたが、担当の先生から言葉のセクハラなどを受け心の病気に。校長に何度相談しても「指導した」だけで何も改善されず、再び不登校になりました。
 ▽今はどうしてる?
 全日型の通信制高校に通っています。先生はみんないい人で相談を聞いて、すぐに行動に移してくれる。「先生」へのイメージががらりと変わりました。授業も理解できるまで教えてくれて、キャラの濃い先輩や友人に囲まれ、全部が楽しいです。
 ▽世の中に言いたいこと
 学校は行きたい人は行けばいいと思いますが、学校だけが全てじゃない。先生が全員正しいわけではないと思います。通っているときは逃げるっていう選択肢が抜けちゃいがちだけど、逃げてもいいんだと伝えたいです。

音楽続け救われた 女子大学生(20)=東京都渋谷区

 ▽不登校はいつから、なぜ?
 中二の時、担任の先生の言動にショックを受けることが増えました。集団行動を拒否すると強要されて問い詰められ、三者面談では親の前で「こういうやつだから仕方ない」と言われました。徐々に保健室登校や不登校に。中三でフリースクールへ行き、全日型通信制高校へ進学しましたが、人付き合いが難しく、別の通信制高校に転校。そこは月二回の登校だったので私に合っていたと思います。
 ▽今はどうしてる?
 小さいころからの夢である歌手を目指し、音楽大学に入って声楽を学んでいます。友達もでき、人前で歌ったり人の歌を聴いたりするのがすごく楽しい。不登校になった時にもボーカルスクールに通っていて、私は本当に音楽に救われました。
 ▽世の中に言いたいこと
 教師の自覚がない人が多すぎます。教員の労働環境、政治問題にも直結すると思います。子どもを絶対に切り捨てないでほしい。味方になってくれる大人は必ずいるので諦めないで。生きているだけですごいことです。

希望持てる社会に 通信制高校・女子生徒(15)の母親=岐阜県

 ▽不登校はいつから、なぜ?
 娘は中1の春からいじめに遭いました。「キモい」と言われ、配膳した給食を受け取ってもらえなかったりしていました。担任に相談すると「みんなまだまだ子どもだから、人の気持ちが分からず嫌なことを言う子もいる」と言われ、娘は自分が悪いと思い込み、そのまま耐えて体調を崩しました。2年生から適応指導教室へ。在籍するクラスへは行けませんでした。行きたかった高校は、授業を受けていないことで内申点が足りなかったので、中3の時、通信制高校の見学へ。先生に「授業を受けられないこと、教室に怖くて入れないことは過去のこと。それよりも、今自分に必要な学習をして、高校にいらっしゃい。今とこれからを見るんだよ」と声をかけていただきました。それから娘は元気になり、自分から学習を積極的に始めました。
 ▽今はどうしてる?
 その通信制高校に入学し友達もできて新たなスタートをきりました。しかし中学のことは思い出すのもつらいようで、話そうとしません。心の病院にも継続して通っています。
 ▽世の中に言いたいこと
 いじめから逃げてもいいとよく言われますが、逃げた先の人生の選択に諦めではなく、希望が持てる世の中になってほしいです。いじめた人は何事もなく過ごしている世の中です。

関連キーワード

おすすめ情報

学ぶの新着

記事一覧