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【中日プラス独自】<法廷の窓>幼い頃から抱いた母への愛憎 その夜、息子は包丁を握った… 

2021年7月30日 17時00分 (8月1日 10時12分更新)
 昨年2月1日、愛知県稲沢市内のアパートでその事件は起きた。包丁で男性が腹部などを繰り返し刺されて死亡し、交際していた女性も頭部に大けがを負った。逮捕されたのは女性の息子で、仕事をやめ現場のアパートにひきこもっていた男(当時30歳)だった。
 その1年4カ月後、殺人と殺人未遂罪に問われた男は、名古屋地裁の法廷で動機を語った。「人生をめちゃくちゃにされたから」。男が思い描いていた人生とはどんなものだったのか。そして何が犯行へと駆り立てたのか。私は、この男の半生をたどり始めた。(社会部・北島忠輔)

男が母親やその交際相手を刺した現場のアパート

 判決などによると、男は事件当日の夜、住んでいたアパートの室内や通路で、訪ねてきた母親の交際相手だった男性(当時52歳、以下Aさん)を包丁で何度も刺した。男性は出血性ショックで死亡。一緒に来た母親(当時48歳)の頭や顔なども突き刺し、左眼失明の後遺症を伴う左眼球破裂等の傷害を負わせた。
 私は現場を訪ねてみることにした。ある鉄道駅から南西に約300メートルの住宅街に、5階建てのそのアパートはあった。同じ棟に住む女性は「付き合いはなく、洗濯物が定期的に干してあるから誰か住んでいるんだなと思っていた程度。1度だけ、男女が訪ねてきたのを見たが、その2人が被害者だったようだ」と振り返った。「事件直後は通路が足の踏み場もないほど血だらけで怖かった」という。

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