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三谷選手 家族が元気の源 ホッケー男子 娘誕生「ポジティブ思考に」

2021年7月28日 05時00分 (7月28日 09時53分更新)

ホッケー男子、日本−ニュージーランド 第3クオーター、ドリブルする三谷選手(左)=27日、大井ホッケー競技場で


 東京五輪ホッケー男子の三谷元騎選手が、闘争心むき出しで戦っている。ドリブラーだった二十代の頃のような派手さはないが、球際でしつこく食らい付き、攻撃に転じると敵陣深くまで走る。大会前、そんな姿に生きざまを込めると言った。「二十年間競技をやってきて、僕がどんな風にホッケーをやってきたか、娘にはワンプレーを通して感じてほしい」(谷出知謙)
 日本男子にとって五十三年ぶりとなる五輪。このピッチに立つため、三十一歳はもがき、苦しんできた。
 十九歳から代表に呼ばれ続け、日常生活を犠牲にした。若く勢いがあったロンドン五輪、心身ともに充実していたリオデジャネイロ五輪はいずれも出場ならず。「東京まであと四年もこんな生活を送るのか」と一度リタイアした。趣味のモトクロスに没頭しつつも「後悔したくなかった」。時間をかけて気持ちをつくり直した。
 家族も認める「崩れやすい心」は、父になりたくましくなった。福井国体を終えた二〇一八(平成三十)年十一月、長女のしえりちゃん(2つ)が誕生。「娘ってすごい。常に最悪の状況を考えてしまう僕が、ポジティブに考えられるようになった」

しえりちゃん(中)と育実さん(左)からパワーをもらい東京五輪を目指した三谷選手

 あれだけつらかった日本代表の活動へ、気持ちを楽に足を向けられた。遠征が続いても「もう少しで娘と会えるから」と自らを奮い立たせた。五輪の一年延期を「苦痛」と言い表したが、前を向く。自粛期間中、自宅周辺を走る時は妻の育実さん(29)が自転車のかごにしえりちゃんを乗せて追い掛けてくれた。穏やかな日々を過ごし力を蓄えた。
 二十一日には長男の琉莞(るい)ちゃんが産まれた。まだ直接会えていないが、テレビ電話をして五輪の試合に臨んでいる。画面の向こうから届くしえりちゃんの「行ってらっしゃい。頑張って」の声に勇気をもらっている。
 六チーム中上位四チームが準々決勝に進める一次リーグで、現在日本は1分け2敗の5位。残り二戦、勝利を手にするために父は全力でピッチを駆ける。

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