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川根本町91%、ワクチン65歳以上接種1回目 県内6月末現在

2021年7月28日 05時00分 (7月28日 05時03分更新)
 新型コロナウイルスのワクチン接種で、六十五歳以上の高齢者の一回目接種率は六月末現在、川根本町の91・11%が県内全三十五市町で最も高かったことが、本紙の情報公開請求で県が開示したデータで分かった。町ならではのきめ細かな対応が功を奏したようだ。 (藤嶋崇)
 静岡県は市町別の接種率を公表していない。本紙は今月一日、六月末現在の市町別接種率について情報公開請求し、県は、条例で定められた期限の今月十五日付で開示すると決定。国が導入したワクチン接種記録システム(VRS)に登録された数字を示した。
 六月末時点では、県内は医療従事者らを除き、六十四歳以下の接種はほとんど進んでいなかった。優先的に取り組まれている高齢者の接種率を見ると、一回目は川根本町が最高で、西伊豆町、吉田町と続いた。
 川根本町は、日曜を除いてほぼ毎日、集落ごとに接種を実施。事前に電話して声を掛けたこともあり、担当者は「接種を忘れた高齢者がほとんどいなかった」と語る。六十四歳以下は、事前アンケートで希望の曜日を把握して接種日を割り振った。八月十八日までに十二歳以上の九割で接種を終える予定だ。
 最も低かったのは、掛川市の37・16%。市によると、個別接種の医療機関でVRSの登録が進まず、実際より低い数字だったという。市職員が協力して入力し、二十一日現在は85%強と県内平均を上回っている。
 県西部で次いで低かった森町の担当者は「ワクチン供給が不透明だったこともあり、五、六月は各地域を巡回して一日二百〜四百人規模の接種だった」と振り返る。七月は一日千人規模の集団接種を週一回ほど実施して挽回。今月十八日現在は県内平均より高い83%という。
 県中部で最低だった焼津市では、五月末に接種券を発送し、接種が本格化したのは六月に入ってからだった。担当者は「三週間後に確実に二回目を打てるワクチン供給があると確認してから接種券を送った」と説明。「今は他市に追い付いてきた」と強調する。
 六月末現在の県内平均は55・99%だったが、二十六日現在は83・80%になっている。

◆接種率公表 県「市町業務影響に懸念」

 高齢者の市町村別ワクチン接種率について、静岡県は「市町の業務への影響が懸念される」などとして公表していない。一方、「接種状況を見える化して住民に伝えるべきだ」と発表している都道府県もあり、対応が分かれている。
 隣の神奈川県は六月下旬から市町村別の接種率を発表している。県の担当者は「市町村の意見も聞き、理解を得た上で公表した」と説明する。今月二十日時点の一回目接種率は69・12〜94・17%と開きがあるが「医療資源は地域差があり、接種率も差は出てくる。希望する高齢者の接種を七月末で終えるよう進めていることもあり、どういう状況になっているか分かってもらえる」と公表の意義を語る。業務への支障は特に出ていないという。
 静岡県の担当者は、公表する都道府県があることを把握しているとしつつ「リアルタイムで接種率を公表すると問い合わせが市町に寄せられ、業務への影響が懸念される」と述べ、市町の意見を踏まえた対応だとした。情報公開請求の開示決定については「過去の数字は支障が小さいだろうと判断した」と語った。

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