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一転救済「首相英断」演出 「黒い雨」上告断念 透ける政権浮揚の思惑

2021年7月27日 05時00分 (7月27日 05時01分更新)
「黒い雨」訴訟の広島高裁判決に関し、記者団に上告を断念すると明らかにした菅首相=26日、首相官邸で

「黒い雨」訴訟の広島高裁判決に関し、記者団に上告を断念すると明らかにした菅首相=26日、首相官邸で

  • 「黒い雨」訴訟の広島高裁判決に関し、記者団に上告を断念すると明らかにした菅首相=26日、首相官邸で
 広島への原爆投下直後に降った「黒い雨」を巡る訴訟は、科学的な根拠を重視する政府と、住民の救済を求める地元自治体の議論が平行線をたどる中、最高裁への上告断念で決着した。急転直下の表明に至った背景には、衆院選前の政権浮揚に向けて「政治決断」を演出したい菅義偉首相の思惑が透けて見える。

■ 会談30分

 「政治決断だ。八十四人については認めよう。異論はないよね」。二十六日午後、総理執務室。首相は呼び込んだ田村憲久厚生労働相と上川陽子法相に迫った。田村氏らは「異論はない」と応じ、約三十分の会談で上告断念が決まった。
 その後、首相は記者団が待つ官邸エントランスに下りて「今回の判決について、私自身熟慮してきた。被爆者援護法に基づいて救済をすべきであると考えた」とアピールした。
 新型コロナウイルス対策の不調や無観客五輪への反発が内閣支持率を低迷させ、官邸内では「衆院選までに首相が指導力を発揮する姿を見せる必要がある」との声が高まっていた。
 首相自身は、十四日の広島高裁判決直後から上告断念を検討していた節がある。側近が「最高裁で敗訴する可能性がある。それから手を付けるより、首相が判断するのも手です」と話...

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