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臨時国会 五輪中も開き議論せよ

2021年7月27日 05時00分 (7月27日 05時01分更新)
 東京五輪が開幕したが、国会は閉会したままだ。新型コロナウイルスの感染が拡大に転じているにもかかわらず、国権の最高機関が無策でいいはずがない。野党は憲法五三条に基づいて臨時国会の召集を要求した。菅義偉政権は、直ちに開会に応じるべきだ。
 新型コロナの感染再拡大で、感染症や経済の対策練り直しと、新たな対策の実行が喫緊の課題にもかかわらず、政権はなぜ国会を召集しないのか、不思議で仕方がない。責任放棄ではないのか。
 野党側は十六日、憲法に基づく臨時国会召集の要求書を大島理森衆院議長に提出した=写真。新型コロナに加え、豪雨災害に対応するには「国民の英知を結集する」必要があるとの理由からだ。
 これに対し、与党側は召集に応じる姿勢を見せていない。菅首相が「今はコロナ対応に全精力を結集していきたい」として慎重だからだというが、秋までに行われる衆院選を控え、野党の攻勢を避けたいとの本音が透けて見える。
 国民の命と暮らしを守りたいと心から思うのであれば、むしろ国会を開き、野党の指摘にも耳を傾け、より効果的な対策を与野党が協力して講じるのが筋だ。
 感染対策の不備がどこにあり、どんな対策が感染防止に効果的なのか。経済的に苦境に立つ業者や生活者を支援するには、どうすればいいのか。与野党が国会の場で真剣に議論すべきだ。立法措置を早急に講じるには国会が開かれていることが前提だ。閉会中審査では法律を成立させられない。
 国会での議論を避け、一片の政府通達のみで国民を従わせようとするから、酒販売業者や金融機関を通じて圧力をかける発想が出てくる。猛省すべきだ。
 そもそも憲法の規定に基づいて臨時国会の召集を要求する意味は極めて重い。しかし、自民党政権はこれまで、ことごとく要求を無視し、国会召集を拒んできた。
 森友・加計学園や桜を見る会など政権スキャンダルへの追及を避けるためだろうが、今は、国民の命と暮らしが著しく脅かされている局面だ。もはやそのような独善的な政治姿勢は許されない。

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