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「私の生まれた国だから」けなげに戦う大坂なおみ TOKYOが復活の地になってほしい【満薗文博コラム】

2021年7月25日 18時03分

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女子シングルス1回戦で笑顔を見せる大坂なおみ

女子シングルス1回戦で笑顔を見せる大坂なおみ

 熱暑の中、有明テニスの森を新しい風が吹きぬけた。赤いドレッドヘアに紅いコスチューム、23歳。大坂なおみの左の胸には、日の丸のエンブレムが鮮やかだった。
 「東京オリンピックは日本人として。私の生まれた国だから」と、19歳で選んだ日本国籍を、世界ランク2位のプレーで、メダルで、全国にお披露目するオリンピックになるはずだった。だが、悲しいけれど、メインコートに観客はなく、ロシア選手を圧倒した世界トップの実力はテレビで流されただけになった。
 既に23日深夜、国立競技場の開会式で、聖火台に点火する栄光の最終聖火ランナーになったが、これも、巨大スタジアムの観客席は無人。
 ハイチ人の父、日本人の母のもとに、大阪で生まれ、3歳で米国に移住した。母の出身地、北海道に祖父は健在である。主に英語で語り、時おり日本語が顔をのぞかせるが、それでも、ふるさとは日本だと白い歯を見せる。初めて出たオリンピックで「日の丸1勝」を挙げたこの日のインタビューにも、最初は英語で応え、最後は「これからです」と、日本語で閉めた。
 記者会見を嫌がり、5月の全仏選手権を途中棄権して引っ込んだ。そして「うつ病」を告白。6月の全英選手権にも姿を現さなかった。その娘が、この日「ふるさと日本」で見せた笑顔は明るかった。
 このTOKYOが、大坂なおみの復活の地になってほしい。無人の中でも、けなげに戦う彼女の胸の日の丸を見ながら思う。(スポーツジャーナリスト)

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