本文へ移動

パ・リーグ強く、セが弱い…一因は『DH制』の有無か “息抜けず続投”の積み重ねが投手のレベルの違いに

2020年4月20日 11時33分

このエントリーをはてなブックマークに追加
ソフトバンク-中日 6回裏2死、指名打者のデスパイネに勝ち越しソロを浴び、がっくりと両手を膝につく大野雄=2019年6月5日、ヤフオクドームで(黒田淳一撮影)

ソフトバンク-中日 6回裏2死、指名打者のデスパイネに勝ち越しソロを浴び、がっくりと両手を膝につく大野雄=2019年6月5日、ヤフオクドームで(黒田淳一撮影)

[野球ファンに届ける 本紙評論家リレーコラム]今中慎二

 昨年の日本シリーズで敗れた巨人の原監督が口にしたことで話題になっていたセ・リーグのDH制導入。交流戦では常にセが圧倒され、日本シリーズでは7年連続でセのチームが勝てていない。この要因の一つとして考えられるのが、DH制の有無だ。私としては、セでも導入する時期が訪れていると思っている。

 DH制のメリットはさまざまあるが、一番は投手の強化にある。投手が打席に立たないパ・リーグでは息を抜けるところがなく、それだけでもメンタルが強くなる。さらにセでは自分の打席で代打を送られて降板するケースがあるが、それがないパではビハインドの展開でも投げ続け、スタミナがつく。この積み重ねが、全体的なレベルの違いにつながっている。
 分業化がより進んだ最近の傾向も、セの「弱体化」を招いているような気がする。私の現役時代は5回や6回で負けていても僅差なら続投だったが、最近は交代がほとんど。その結果、リリーフが登板過多に。中日・岩瀬や巨人・山口らの例外はあるが、最近活躍したリリーフが2年、3年と長続きしない理由がここにある。もう一つ、悪影響として考えられるのが、キャンプで投げ込みをする投手が少なくなったこと。肩を消耗品と考え、コンディション維持を重視する「文化」が成長を止めている。
 DH制なら、エンゼルスの大谷のような二刀流選手も育成しやすくなる。もし、セもDH制だったら、中日が根尾を二刀流選手として育てる選択肢もあったはずだ。DH制を導入すれば采配の妙が薄れるかもしれないが、選手のレベルは上がるだろう。日本シリーズは昨年でセ、パが35勝35敗の五分になったそうだが、ここ20年となるとセの6勝14敗。この格差はセ出身者としては寂しい。
 もちろん、セでは具体的な議論になっていない状況だけに、DH制を導入する可能性は低い。パが強く、セが弱い。この現実だけが横たわっている現在、開幕は新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されている。練習環境が整わない状況が続く中、中日を含めたセの投手には、成長につながる強化に努めてほしい。

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ