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【五輪柔道・中村佳央評論】渡名喜の判断分かれ目か 日本がメダル取ると審判厳しくなるイメージ

2021年7月24日 21時59分

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男子60キロ級決勝 台湾の楊勇緯を攻める高藤直寿(右)

男子60キロ級決勝 台湾の楊勇緯を攻める高藤直寿(右)

  • 男子60キロ級決勝 台湾の楊勇緯を攻める高藤直寿(右)
  • 女子48キロ級決勝 敗れて泣き崩れる渡名喜風南
◇24日 東京五輪 柔道(日本武道館)
 男女とも節目のメダルを手に入れた。柔道は男子60キロ級の高藤直寿(28)=パーク24=が今大会第1号となる金メダルを獲得。心身の成長を見せ、2016年リオデジャネイロ五輪で逃した頂点にたどり着いた。女子48キロ級では五輪初出場の渡名喜風南(25)=同=が銀メダルを獲得し、日本勢は夏冬の五輪を通じた通算メダル獲得数が500個となった。
 高藤の金メダル。全体的にいえば、勝ちにこだわっていた。前回のリオ五輪が銅で終わったこともあったのだろう。特に決勝は、相手の指導3つによる反則で突然終わって、見ている人たちは「あれっ?」と感じたかもしれない。でも、やっている方は違う。金は金。これでOKなんです。
 もちろん、高藤には初戦の2回戦から力強さを感じた。内股で一本勝ちし、準々決勝も力の強い相手の動きをしびれを切らさないでよく見ていた。準決勝は11分以上の試合をよく耐えた。
 決勝も、投げまでにはいけなかったが、完全に組み手は勝っていた。無理して投げにいけば入れただろうが、相手がばてるのを待っていた。粘って粘って、延長で相手が動けなくなるまで安全にいっていたように見えた。それが金メダルにつながった。それにしても、相手の台湾選手はスタミナがあって面白いね。次のパリ五輪では強敵になりそうだ。
 女子の渡名喜は銀に終わったが、やはり寝技に自信を持っているので強い。準決勝の相手、ビロディド(ウクライナ)に対しては、かなり研究していた。相手は長身なので奥襟をたたかれるのは仕方がないが、そこから頭の位置をずらしたり、組まれにくくしたりと工夫が見えた。ただ、決勝では僅差でもいいから絶対勝とうと思ったのか、一本勝ちしようと思ったのか、その判断で勝敗が分かれたかもしれない。これがオリンピック。怖いんです。
 競技初日の日本勢に金と銀が出た。だが、これで流れに乗れると安心してはいけない。私がアトランタ五輪に出たときもそうだったが、日本がどんどんメダルを取ると、日本に対する審判の判断が厳しくなるイメージがある。選手たちもそれは分かっていると思うのだが…。第2日は阿部きょうだいが出る。とにかく、ふっきってやること。そうすれば勝てるし、怖がってしまうと不利になる。(旭化成元監督、1993年ハミルトン世界選手権86キロ級金メダル)
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