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高藤直寿、リオ銅で根底から見直した柔道『爆発力がなくなった』と言われても割り切ってつかんだ金【東京五輪柔道・男子60キロ級】

2021年7月24日 21時13分

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男子60キロ級で優勝し、古根川コーチと抱き合う高藤直寿

男子60キロ級で優勝し、古根川コーチと抱き合う高藤直寿

◇24日 東京五輪 柔道男子60キロ級決勝(日本武道館)
 2016年リオデジャネイロ五輪銅メダルの高藤直寿(28)=パーク24=が日本勢1号となる悲願の金メダルを獲得した。決勝では楊勇緯(台湾)を延長の末、相手に指導が3度与えられて反則勝ち。男子60キロ級では、1996年アトランタ五輪から3大会連続で制した野村忠宏以来4大会ぶりの金メダルとなった。
  ◇   ◇
 2016年リオデジャネイロ五輪では金メダル有力とみられながら3位。悔しさのあまり会場のトイレで泣き崩れた。直後に、長年コンビを組む付き人の伊丹直喜さん(28)にラインでメッセージを送った。「また東京までよろしくお願いします」。リベンジの思いだけが、この5年、高藤を突き動かしてきた。
 柔道は根底から見直した。以前の高藤は多彩かつトリッキーな技が魅力だったが、それはリスクと表裏一体。取りこぼしもあった。高藤は「アグレッシブなだけでは勝てない。安定感を重視しようと思った」と言う。
 目指したのは痛快に勝つより、負けない柔道。筋力トレーニングで下半身を鍛えて受けを強化。審判の傾向にも気を配るようになった。「『爆発力がなくなった』と言われるが、それでいい」と割り切った。
 畳の外でも変わった。かつては遅刻の常習で規律違反で処分されたこともある。「暴飲暴食して生活のリズムもめちゃくちゃ。自分でもやんちゃだったと思う」と苦笑する高藤が、以前は嫌った生野菜を口にするように。五輪延期で試合から遠ざかると、20年冬には自主的に60キロまで落とす減量テストまで敢行した。
 パーク24の吉田秀彦総監督(51)は「やんちゃと言われた直寿が、この5年で柔道おたくになった」と評す。進化した「柔道おたく」は17、18年の世界選手権を2連覇。欲していた安定感を手に入れた。
 自宅リビングにはリオ五輪時の銅メダルが飾ってある。最近、長男から「何で金メダルじゃないの?」と素朴に問い掛けられた。高藤は「それなら金メダルを見せてやろうじゃないか」。新たに加わったコレクションは、高藤の柔道家としての進化の結晶だった。
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