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古民具の思い出 芸術祭で脚光 収集の2000点 一軒ずつ聞き取り

2021年7月23日 05時00分 (7月23日 11時38分更新)
ミュージアムで活用される古い民具を提供した大兼政律子さん(左)から思い出を聞き取る川辺咲子さん(右)ら=珠洲市大谷町で

ミュージアムで活用される古い民具を提供した大兼政律子さん(左)から思い出を聞き取る川辺咲子さん(右)ら=珠洲市大谷町で

展示し持ち主の人生も継承へ

 珠洲市全域で開く「奥能登国際芸術祭2020+(プラス)」(九月四日〜十月二十四日)の目玉企画「スズ・シアター・ミュージアム」で作品などとして活用する、市民から集めた古い民具についての聞き取り作業が進んでいる。昨年から市内の約七十世帯から集めた二千点について、スタッフらが一軒ずつ訪問し、一つ一つ思い出を記録する。(加藤豊大)
 ミュージアムは、同市大谷町の旧西部小学校舎を改修。各家庭に眠る日用品や家具、農漁具などを民俗学や歴史学といった観点も踏まえて、八組のアーティストらが空間芸術や立体作品として活用し、展示する。芸術祭終了後も、常設施設として運営する予定だ。
 聞き取りは十六日から開始。二十二日は、企画にアドバイザーとして参加する国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)の川辺咲子研究員と、東京都渋谷区の「アートフロントギャラリー」の沼田かおりさんが、珠洲市大谷町の大兼政(おおかねまさ)律子さん(74)方を訪問。百年以上前に親戚の誕生祝いで作られた小型のキリコや、冠婚葬祭用の輪島塗の漆器、蓄音機といった五十四点について、いつどんな時に使ったかを聞き取った。
 大兼政さんは「いつかは始末されるのを待つだけだった懐かしい道具が、芸術として生まれ変わるのが楽しみ」と話した。
 川辺さんは「物そのものだけでなく背景にある持ち主の人生や地域の歴史も記憶し、継承していけたら」と語った。

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