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<喝采がきこえる> 新星・後藤が窮地救う ソフト最年少20歳、奪三振次々

2021年7月23日 05時00分 (7月23日 05時01分更新)
タイブレークの延長8回、ピンチを切り抜け、捕手我妻(左)と笑顔でタッチする後藤

タイブレークの延長8回、ピンチを切り抜け、捕手我妻(左)と笑顔でタッチする後藤

 経験が人を成長させる。若ければ若いほど、その舞台が大きいほど、伸び具合も大きくなる。
 最終回、エース上野由岐子が同点に追い付かれた。なおも無死一、二塁。窮地を託されたのは最年少の20歳、後藤希友だった。
 上野と約20年の時間を過ごしてきた指揮官は、左腕を若き日のエースと重ね合わせていた。「大事な場面で出して、いずれ日本を背負っていくようなピッチャーにしていきたい」。願いを込め、マウンドに送った。
 後藤は最初の打者をキレのいい内角球で1球で捕飛に仕留めた。さらに連続三振。続く延長八回も、躍動感あるフォームはぶれない。二塁に走者を背負った場面から始まるタイブレークで、内野安打と四球を挟みながら、結果的には圧巻の3三振。勝利の流れを呼び込んだ。
 緊迫の場面で臆することのない投球。「初戦を経験させてもらえたのはすごく大きいし、すごく自信になった」と後藤が振り返るように、前日の体験が大きい。打線が意外な大爆発を見せて一方的な展開になったことで、五輪の開幕戦から最年少は登板機会を得られた。
 振り返れば、恵まれた競技人生のようにも見える。所属先には米国のエースで同じ左腕のモニカ・アボット、日本代表では上野と、身近に、世界最高の教材がいる。「こんな経験は自分しかできないっていつも感じている。上野さんもモニカも、目の前でプレーしていると、すごいなって思うことが毎日、何かしらでてくる」と声を弾ませる。
 名古屋市熱田区の野立小学校で競技を始めた直後には、過去に複数の日本代表投手を育てた指導者、住田茂さん(67)と出会った。将来性を見込み、変化球に頼らせない住田さんの指導は、今の持ち味の強い直球につながった。
 ただ、どれだけ幸運な出会いや機会があったとしても、糧にできるかは本人次第だ。今度は窮地の日本を救うという大仕事をやってのけた。さらに左腕はたくましくなる。 (多園尚樹)
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