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「姉妹で金」の夢へ レスリング川井梨紗子・友香子、延期期間支え合う

2021年7月23日 05時00分 (7月23日 05時01分更新)
2019年の世界選手権で五輪代表を決め、泣きながら姉梨紗子(左)と喜ぶ川井友香子=カザフスタン・ヌルスルタンで(榎戸直紀撮影)

2019年の世界選手権で五輪代表を決め、泣きながら姉梨紗子(左)と喜ぶ川井友香子=カザフスタン・ヌルスルタンで(榎戸直紀撮影)

 23日に開会式を迎える東京五輪で、女子フリースタイル57キロ級の川井梨紗子(26)、同62キロ級の友香子(23)=ともにジャパンビバレッジ、石川県津幡町出身=は「姉妹で金」の夢に挑む。1年遠回りした分、一緒に夢見る時間も延びた。新型コロナウイルス禍に揺れた延期期間は、支え合うことでその存在の大きさを再確認する時間にもなった。
 父は大学王者、母は世界選手権代表というレスリング一家に生まれた。14年前、家族で友香子だけ、競技をしていなかった。
 週末、父は勤務先の高校、母は地元クラブでの指導に向かう。練習場の隅や試合会場の観客席で独りぼっちだった友香子は「お菓子とかゲーム機を持たされて私は放置。お母さんに構ってもらえないというのがきっかけで始めた」と苦笑しながら振り返る。
 寂しさという幼心が原点となった姉妹の物語。ともに故郷を離れ、愛知・至学館高に進んだころから「2人で五輪に」と口にはしていたが、遠い夢だった。
 16年夏、それはぐっと身近なものになる。姉がリオデジャネイロ五輪で金メダル。練習相手で現地にいた妹も目に焼き付けた。
 そこからは試練ばかりだった。友香子はリオの年に肩を痛めて手術。18年には拠点の至学館大がパワハラ騒動に揺れた。伊調馨(37)と五輪代表を競った姉は、周りの視線に疲れ切ってマットを去ることまで考えた。
 19年世界選手権でそろって五輪切符を得るも、コロナ禍で1年延期に。練習場が使えない日々が続いたが、2人で自宅や公園でトレーニングして汗を流した。「目標も立場も同じ2人だからこそ、乗り越えられた部分はある」と梨紗子は振り返る。
 「(姉妹で金の目標は)当たり前のことすぎて、あらためてお互いに口にすることはない」と梨紗子。費やした時間、流した汗の分、強くなった思いを胸に舞台に上がる。 (多園尚樹)
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