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「パス来る前からトラップの後の部分を想像していた」久保建英 左足一閃「面に当ててファーを狙った」【東京五輪】

2021年7月22日 23時15分

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南アフリカに勝利し、試合後のインタビューを待つ久保建

◇22日 東京五輪 サッカー男子1次リーグA組 日本1―0南アフリカ(味の素スタジアム)
 1968年メキシコ五輪以来のメダル獲得を狙う日本は後半26分、MF久保建英(20)=レアル・マドリード=がゴールを決め、1―0で白星発進した。同じA組のフランスはメキシコに1―4で敗れた。原則24歳以下で争われる男子は16チームが4組に分かれて1次リーグを行い、各組上位2チームが準々決勝に進む。

日本―南アフリカ 後半、先制ゴールを決めた久保建(中央)。右から2人目は森保監督

 月夜の味スタに、久保建の雄たけびがとどろく。五輪初戦、重い試合。「勝負を決めるとしたら、自分だと言い聞かせていた。待っていても、誰かが決めてくれないと分かっていた」。南アを奈落の底に沈めたのは、20歳の伝家の宝刀だった。
 後半26分。敵陣ペナルティーエリア右で田中のロングパスを受け、迷わず仕掛けた。左側に外してすぐさま左足を振った。GKウィリアムズがわずかに触れた球は左ポストをたたき、勢いよくネットを揺らした。
 「パスが来る前からトラップの後の部分を想像していた。(左足の)面に当ててファーを狙った。しっかり練習してきているし、量は裏切らない。いい形で決められて証明できた」
 アイデア、技術、創造力。久保建を支える三要素だが、その前提となる生命線が情報収集力だった。しきりに首を振り、周囲の状況を見る。攻撃手なら当たり前の事前動作だが、「周りを見て、味方の手の形がどうなっているかまで見ている」と久保建。常人では考えも及ばぬ、その先の細部まで観察しているのだ。
 拳を固めて、動きだそうとしているのか。手を広げ、体の動きを止めているのか。ドリブルで仕掛けた際は対面するDFだけでなく、「その近くのDFの体の向き、足の角度を見てどう動くか」まで見極め、複数の選択肢から最適なプレーを導き出しているのだ。
 1次リーグ初戦の勝利に導いた劇弾も、そうした洞察力から生まれた。久保建は対面したマビリソを見た。モハム、マレベのカバーが遅れているのも見逃さない。だから、単独で仕掛け、打った。FC東京でGMを務めた立石敬之さん(現シントトロイデンCEO)は13歳でスペインから帰国した当時の久保建のプレーについて、「感覚だけに頼ったプレーではなく、まるで教科書のようなプレーの連続。本当に細かなところまで見えていた」。夢舞台でも、久保建の視野は深く、広かった。
 「メキシコ戦もしっかり勝ちたい」。若武者の五輪1号で、金メダルロードの第一歩を踏み出した。
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