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西塚古墳から木製農具 若狭町発掘調査 古墳時代中期でほぼ無傷

2021年7月22日 05時00分 (7月22日 10時09分更新)

西塚古墳から出土した木製農具「すき」2点=いずれも若狭町脇袋で

木製農具などが発見された堀(手前)。奥は古墳の後円部

 若狭町が発掘調査を進めている国指定史跡・西塚古墳で、古墳時代中期(五世紀後半)の木製農具「すき」が出土した。町歴史文化課の近藤匠学芸員によると、同期の木製農具がほぼ無傷のまま出土するのは、全国的にも珍しい。「古墳を造り終わった後にどういう行いがあったのか、ひもとく糸口になる。解明が進めば、築造された時代の人々の祭祀(さいし)性も見えてくるのでは」と期待する。 (栗田啓右)
 西塚古墳は五世紀後半に築造したとされる全長七十四メートルの前方後円墳で、上中地域の脇袋古墳群の西側に位置する。大正時代に前方部が削られ、現在は後円部が残っている。今年六〜八月にかけて行われている調査では、木製農具「すき」二点をほぼ完形の状態で、古墳周りの堀の底から発見した。地面を掘り起こすために使われる物で、長さはいずれも一メートルほど。古墳が完成した直後に葬送儀礼で投げ置かれたと考えられるが、具体的な意図は不明だ。
 他にも長さ六十センチ〜一メートル二十センチある板状の木製品三点も、同じ地点で見つかった。直径数センチの穴が複数あり、棒状の物を組み入れ、机やいすとして使われていた可能性がある。
 町内では数百に及ぶ古墳があり、近くの上ノ塚古墳でも木製品はすでに出土されているが、近藤学芸員によると、木製農具の発掘は町内で初めて。「ほぼ欠けることなくそのまま見つかるのは全国でも例があまりない」と驚く。
 出土された五点は乾燥による劣化を防ぐために、水に入れて保管しており、今後、保存処理をする。
 町は西塚古墳の復元整備に向け、発掘調査を昨年度から実施。これまでに北陸地方で最古級とされる人物・馬形埴輪(はにわ)片などが出土された。一般向けの現地説明会を二十四日午前十〜十一時、午後一〜二時に実施する。予約不要。

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