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【東京五輪・なでしこ】岩渕真奈『神様』澤穂希に近づくために「もっと責任背負わなきゃ」背番号10の覚悟

2021年7月22日 06時00分

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日本―カナダ 後半、同点ゴールを決め喜ぶ岩渕(右)ら日本イレブン

日本―カナダ 後半、同点ゴールを決め喜ぶ岩渕(右)ら日本イレブン

◇21日 東京五輪 サッカー女子1次リーグE組 日本1―1カナダ(札幌ドーム)
 右拳を握り、無観客の札幌ドームで声にならぬ声を上げた。1点ビハインドの後半39分。「行くしかなかった」。日本代表(なでしこジャパン)のFW岩渕真奈(28)=アーセナル=が自陣からのMF長谷川の縦パス1本で抜け出した。バウンドに合わせ、右足を振った。球はGKシェリダンの左脇をすり抜け、ネットを揺らした。高倉麻子監督(53)や元なでしこのMF澤穂希らの記録を上回る歴代最長の5戦連発は、なでしこの窮地を救う起死回生の同点弾だった。
 「チーム全員の気持ちが乗ったゴールだった。勝ち点1につながるゴールができてよかった」。迷いも揺らぎもない。右足に魂を込め、絶品の得点を呼び込んだ。
 2011年のW杯優勝当時、チーム最年少の18歳だった岩渕の目には、いつも澤の背中が映っていた。「目標というか、夢というか、神様というか。全て大好きな選手、人間」。なでしこの大先輩に導かれるように、岩渕は無邪気にサッカーを楽しみ、プレーしてきた。奔放なアイデア、多彩な技術力はすくすくと育まれた。
 ただ、澤が去り、その重責の大きさを思い知った。ぽっかりと空いた大きな穴。何をするべきか。指標を失い、戸惑い、悩んだ。期待も重圧も、全て澤が負っていたことを痛感した。「苦しい時は私の背中を見て」―。澤の言葉に、どれほど助けられていたかを知り、変革の必要性にたどり着いた。
 ドイツ、イングランドへの移籍も成長、進化するためだった。10番を背負い、澤の存在に少しでも近づくためだった。「いろんな経験をさせてもらい、女子サッカーを背負う立場にいると感じる。今までも責任、覚悟を持ってきたけど、もっと背負わなきゃ」。敗色濃厚の最終盤。苦境でこそ輝く、エース背番号10の大仕事だった。
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